一時期伝記絵本について調べたことがあり、中でも注目しているのがこの絵を描いたカディール・ネルソンの作品です。
黒人の伝記を中心に描く彼の作品の多くは、この絵本のように人物のアップの表紙が多く、とても力強い印象があります。
ちょうど同じ時期に彼の『ネルソン・マンデラ』の伝記絵本を読みました。
『ハリエットの道』は、奴隷だったハリエットが、自ら脱出を図り自由を勝ち取り自分だけでなく、多くの人々を救出します。
悩み迷う彼女を支えたものは、神への信仰でした。読み終わった時に静かな感動がありました。
詳しい解説と、見返しには「自由への地下鉄道のルート」図があります。政治的に奴隷制度を解決することと同時にハリエットのような奴隷だった人たちが意識を変えて、自らの運命に立ち向かったことが今日に結びついていることを思う時、その道のりの長かったことを思いました。