主人公のトラさんは、お行儀よくしていることにうんざりしています。
だって、この頃の動物たちは街中に住み、服を着て、二本足で歩いているのですもの。
食事も、お肉をガブリガブガブと食べるのではありません。
テーブルに置いてあるケーキや紅茶を、椅子に座って少しづつ食べるのです。
トラさんは、そんな型にはまった生活から抜け出したいと思ったのです。
トラさんがまずしたのは、四本足で歩くこと。
それから服を脱いで、ワオオ!と叫んでみました。
良い気分です。
やりたい放題をして、やりすぎました。
とうとう友だちに、
「そんなにあばれたいなら、どうぞもりへいらっしゃれば!」
と言われてしまいました。
トラさんは叫びました。
「それはいいかんがえだ!」
森へ行ったトラさんは、どうしたでしょう?
街に残った動物たちは、どうしたでしょう?
読んでいるうちに、なんとなく、ぷぷっと笑えてきます。
登場人物たちの表情に変化があるので、文字をまだ読めないお子さんにも良いのではないかと思います。