主人公の少年は亡くなったおじいちゃんの部屋で、
おじいちゃんが死後について考えた「ノート」を発見します。
おじいちゃんが死後に行く予定の天国は、
それはそれは楽しそうな場所。
でも、私たちが考える天国(=花園や楽園)とはちょっと違う。
そこはヨシタケシンスケさん。
想像をはるかに超えた俗っぽさ。
そして、子どもが考えそうな低レベルな発想。
かなりおちゃめなおじいさんです。
自分の死後に家族にやってほしいことや、
嫌いなあいつが行く地獄はこんなところ。
も、予想外のおもしろさ。
おじいちゃんは死ぬのが楽しみだったのかなと思えるほどです。
でも、少年は、はたと気が付きます。
死ぬのが怖くて、こんな楽しい天国を想像したのかな。
孤独に死を迎えるおじいちゃんを想像し、
ちょっと寂しい気持ちになります。
そして主人公もおじいちゃんのように、
死後のことを考えようとノートを購入しますが。
ふと、気が付きます。死んだ後のことより、
今したいことがたくさんあるってことに。
死を考えることで、生を改めて考えることができる、素敵なラスト。
死を理解できる年頃のお子さんに(小学校中学年以降でしょうか)オススメします。
6歳の息子も楽しく読みました。
でも、きちんと理解できていない模様。
息子が中学年くらいになったら購入したいと思います。
何世代もが同居していた昔と違い、
今は子どもが死を考えることのない時代だと言われています。
ある程度の年齢に達したら、
時々は、死について考える機会を与えたいと思うのです。
死を考えることは、生を考えることに等しいと思うからです。
そして、死を考えることのできる絵本において、
かつてこんなに笑える本はなかったと思います。
革命的な絵本です。
久しぶりに素敵な絵本に出会えました。