大好きな浜田桂子さんの作品。決して派手さはないけれど、じわじわっと温かみが伝わって、いつまでも心に残る素敵な作品ばかりです。同じく「かがくのとも」の1冊、「たけのこほり」も、何年にもわたって、何百回となく読みました。
秋から冬にかけての日本の風物詩、干し柿。ふるさとの風景や、子ども時代の思い出、懐かしい味など、いろんなものを運んできてくれる食べ物ですね。それもそのはず、こんなふうに、手をかけ、心を込め、そして、自然の恵みをいっぱいに受けて、昔々から作られてきたんですものね。ずっと同じ作り方で・・・。
雪の中に寒々と立つ、葉っぱを全部落とした柿の木。その一本一本の幹をさすりながら、
「どっさり みを つけてくれて ありがとう。おつかれさんでした。はるまで ゆっくり おやすみよ」
と、感謝とねぎらいの言葉をかけるふみばあちゃんのやさしさに、心が温まります。
娘も、すぐに、「やってみた〜い!」と、目を輝かせていました。まずは、干し柿の甘さを味あわせてあげたいな。