シンプルな言葉しか出てこない分、逆に鮮明に想像してしまう「あんなだったのに、こうなってしまった未来」。
ヨシタケさんのお子さんは、まだそんなに大きくないはずなのに、このリアリティはどうだ。リアルすぎて、著者本人の切ない気持ちを先回りしてしまう。
そして、最後にちゃんと落としているのも、さすが。
これはあくまで子供も読めるタイプの「あんなにあんなに」だが、自分で勝手に大人バージョンの「あんなにあんなに」も頭の中で自作してしまう。
あんなに、生きている間にいろいろあったのに「もう、こんな」と火葬場から出てきた「散らばった骨」が描かれたら、ブラックジョーク的に笑えるなと思ってしまった。
まあ、あくまで自分の未来の姿としてね。大事な身内については笑えないでしょうけど。