私自身、親にあれこれ心配されるのが無性にうざったかった時期がありました。
心にもないようなひどい言葉を投げつけてしまったこともあります。
そんな子どもの頃の自分と、母になった今の自分が入り混ざった複雑な気持ちで読みました。
身の危険も顧みず、全身ボロボロになって愛する息子のために死んでしまうイタチ母さん。
傷だらけの母を抱きしめ、あまりに大きな母の愛に気づき、グーの両目から涙がこぼれ落ちます。
このシーンで必死にこらえていた私の涙腺も崩壊し、その先を声に出して読み続けることがなかなかできないでいました。
私も母にかつての非を謝罪できないまま、母が他界してしまったものですから、こういう場面にはめっぽう弱くて…。
「もうこの本はママが泣いちゃうからやめよう」
と2歳の息子に気を遣われる始末でした。
必死に泣くのをこらえ最後まで読み聞かせができたのは、この本を購入して約1ヶ月後のことでした。
ようやくきちんと読んであげられたと安心して本を閉じたら、裏表紙の仲睦まじい様子で手をつないだ、子どもの頃のグーといたち母さんの笑顔の絵を見てまた号泣。
恥ずかしいくらい息子の前で泣いてしまいました。
このいたち母さんの無償の愛にジーンとくるのは、息子がもっと大きくなり、反抗期を迎えた頃くらいではないでしょうか。
思春期の子どもたちにこそ読んでほしい本かもしれません。