この絵本を読んでいる途中、私が泣きそうで困りました。
じろうは5歳、3人兄弟の真ん中です。
おにいちゃんのたろうとは遊んだりけんかをしたり、でも弟のさぶろうは
まだ赤ちゃん。面倒は見ないし、遊びの邪魔をすると泣かせます。
ある日、雨がどんどん強くなる中、お母さんが寝ているさぶろうをじろうに
まかせてたろうのお迎えに行ってしまいます。
雷の大音量に泣き出すさぶろう、そして停電。
じろうもこわくて、さぶろうを抱いてあっちの部屋こっちの部屋とうろうろ
するのです。
とうとう、さぶろうを抱えたまま外に飛び出すじろう。
5歳の小さな子が、赤ちゃんもまもらなくちゃ行けなくて、どんなに
がまんしたんだろう、どんなに恐かっただろうと思うと、胸が
ギュッと締め付けられるようです。
多分読んでもらう子どもは、大きく描かれた雷にじろうの怖さを
自分のことのように感じるでしょう。
じろうにあやまるお母さんを見て、自分だったらどうしただろうと思います。
できれば、子どもだけで家に置いて行きたくない。
でも、赤ちゃんを大雨の中連れ出したくもない。しかも寝たばかり。
5歳の子に留守番が務まるか。
子どもがまだほんの小さな赤ちゃんの時は、私もそういう育児中の葛藤を
いつも抱えていました。
その気持ちを振り返り、本当に誰にも頼めず相談する人もなくて、辛い日も
あったなあと思うと、またまた涙が出そうになるのでした。