『みんなでよもう!日本・世界の昔話シリーズの8巻』です。
中国の民話です。
紙芝居になっていたり、他社さんでも出されていますが、私はこの絵本の太田大八先生の絵が、とってもストーリーとマッチしていると思いました。
不幸な身の上の主人公の男の子マーリャン。
近所の仕事を手伝って、ひとりぼっちで暮らしています。
マーリャンは、絵を描く事が好きですが、筆を買えないのでいつも土の上に描いてばかり。
絵描きの家を覗き、筆を貸して欲しいと請いますが、
「貧乏人のくせにとんでもない奴だ」と、引きずり出されてしまいます。
その後の、マーリャンの描く事への情熱が増していく様子に感動です。
ある夜、夢の中に出てきたおじいさんから筆をもらいます。
その筆で描くと不思議なことに…。
筆のおかげでマーリャンは、たくさんの貧しい人々を助けます。
けっして自分の幸せのためには描きません。
そして、私利私欲の権化のような権力者を筆の力で痛快に懲らしめる結びに、読んでいてスッキリしました。
昔から、民話には庶民の願望がこめられ語られてきているんだなと思いました。