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世界の国からいただきます!

世界の国からいただきます!(徳間書店)

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どんなにきみがすきだかあててごらん

どんなにきみがすきだかあててごらん(評論社)

日本語版刊行30周年♪想いのつよさをくらべっこ♥

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ぼくが一番望むこと」 ママの声

ぼくが一番望むこと 文:マリー・ブラッドビー
絵:クリス・K・スーンピート
訳:斉藤 規
出版社:新日本出版社
税込価格:\1,650
発行日:2010年07月23日
ISBN:9784406053341
評価スコア 4.88
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  • ここに本当の“実りある学び”がある

     米国の黒人教育家ブッカー・T・ワシントン(1856〜1915年)の少年期を描いた作品です。
     南北戦争(1861〜1865年)後、奴隷解放宣言(1863年)が憲法修正による奴隷制の全面的撤廃を促し、1865年憲法修正案第13条として実現しました。
     これにより、南部の州で奴隷の扱いを受けていた黒人は解放されました。
     しかし、急に「自由」という名とともに社会に放り出された南部における黒人の生活は、困窮から抜け出すことで精一杯でした。
     さらに、黒人に対する差別や偏見はその後も潜在的に残り現在に至っています。
     本作品の主人公ブッカーの家も解放されたは良いのですが、「教育」などは念頭にも無かったことでしょう。
     星がまだきらめいている早朝から食事もとらず岩塩の精製所で、塩の樽詰めの作業の労働力として9歳の少年も借り出されるという厳しい状況でした。
     文字を教わりたい。字が読めるようになりたい。という思いで胸いっぱいのブッカーは、本にはきっとすばらしい世界が隠されているに違いないという思いを常に抱いていました。
     ある日、同じ黒人なのに大きな声で新聞を読み上げている男の人を見かけ、“ブッカーの希望”となりました。
     新聞を読み上げる“希望の人”に見とれているブッカーに、帰ることを促した父と兄に対して、
     ふたり(父と兄)は ぼくが見ているものを 見ていない
     という、ブッカーの言葉がとても厳しい響きに思えました。
     当時の黒人の多くの人は食べることに奔走し、「教育」の大きな意味について立ち止まり考える余裕が無かったのだと思います。
     いいえ、今の世の中にも通ずることだと思います。
     その日、ブッカーはママに思いを告げると、青い表紙の小さな本(「ブルーバック・スペラ」)を渡されます。
     そして、ブッカーはあの“希望の人”を捜し出し、・・・。
     文字を読んで声に出しもらった時のブッカーの感激の様子が、文章からも絵からもしっかりと伝わってきて、心が震えました。
     知的欲求のままに駆け出したブッカーの行動に、ここに本当の“実りある学び”があるのだと思いました。

    投稿日:2010/08/08

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  • 学びたいという強い気持ちと、学ぶ喜びにあふれていました

    • みっとーさん
    • 30代
    • ママ
    • 大阪府
    • 男の子10歳、女の子8歳

    光と影を、写真のように描く絵本でした。
    貧しく、家族みんなでわずかな食糧を手に毎日働き続ける。そんな生活を送る男の子の、文字が読めるようになりたい。本を読めるようになりたい。えらくなりたい。尊敬されたい。
    強い思いと、学ぶ喜びがすごく伝わってきます。
    男の子の笑顔が本当に素敵で、みんなが文字を読める日が早くきてほしい。その手助けがしたいと、切に思いました。

    投稿日:2021/08/26

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  • 当たり前が当たり前ではない。

    日本での多くの(ほとんどの)子供達は、教育を受けることが当たり前の環境です。
    でも、時代や国が違えば、そんな当たり前の環境が当たり前ではないこともある。
    すごく説得力がありリアリティーがあり、色々考えさせられる1冊に感じました。

    投稿日:2019/05/12

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  • 考えられないよね

    今の自分たちの世界では、考えられないような現実です。
    ブッカーは、朝暗いうちから仕事に出かける。朝ごはんも食べずに仕事に取りかかる。わずか9歳で、家族のため、家族とともに働く現実。でも、ブッカーは文字を読みたいと心から願っていました。おなじ肌の色をした人が新聞を読んでいる。自分もきっと読める…そう思い、おかあさんにその気持ちを伝えると、手渡された一冊の本にブッカーは喜びます。
    どうしても学びたいという気持ちが、強く強く伝わってきます。黒人教育家になったブッカーの幼少期を知ることのできる貴重な一冊です。

    投稿日:2014/05/26

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  • 勉強が出来るということ

    勉強できるということが、どんなに恵まれていることか、子供自身も考えていた様子でした。
    字が読めるだけで、どんなに世界が広がるでしょう。
    当たり前のように学校に行っていると、忘れてしまいますね。
    背景にある問題は、人種差別や貧困です。
    この絵本では、少し前のアメリカが舞台となっていますが、現在でも同じ状況に置かれている子供が世界にはいるということも、伝えたいです。

    投稿日:2013/11/16

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  • 読むこと、書くこと

     生まれたときから絵本にふれて、
    ものごごろついたころには、文字をよむことができる
    私たちには、なかなか想像できないことです。
     おなかをすかせても、本が読みたい、なんて。

     奴隷から解放されただけではいけない、
    文字が読めなければ、という、
    人間としての尊厳を求める
    底力に感動しました。

     陰影の効いたリアルな絵に、ひきこまれます。
    文字を読み、書けることの喜びが、伝わってきました。

    投稿日:2011/12/16

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  • 渇望

    渇望という言葉の裏には、抑圧・貧困・差別などがあると思いました。

    黒人教育家であるブッカーの自伝的絵本ということで、実話である重みがずんと迫って来ます。

    食べていく、仕事があるという次にくるものは、やはり教育。

    義務教育で食べ物もあり働かなくてもいい日本の子どもたちはどんな風にこの話を受け止めるのでしょうか。

    これは過去の時代の話であっても、世界の中には児童労働をする子どもたちもいて、今日食べる物もない子どもたちもいること。

    自分だけの世界でなく、広く世界へ心を向けて行く時期の子どもたちに読んでほしい絵本です。

    短い話の中に凝縮されていますが、私はブッカーがその後どういう道のりで教育家になったのかその軌跡も知りたいと思いました。

    投稿日:2011/10/25

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  • 「自由」の後に生まれた≪希望≫

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子16歳、女の子11歳

    私自身もそうですが、この絵本は大人の読み手のほうが多いです。
    読み聞かせなどで使うなら小学校の高学年から。
    でも、しいて言うなら小学生のお子さんより、アパルトヘイトや有色人種差別などの歴史を習う中学生や高校生のお子さんたちにぜひ読んでもらいたい1冊です。

    この作品は時期ははっきり書いてありませんが、黒人解放運動が一応終結した後のころの時代が舞台のようです。
    「奴隷」ではなくなったけれども、まだまだ明るい未来などない。そんな場所で一人の少年の小さな想いがとても熱く描かれていて素敵でした。
    最近は写真と見まがうぐらい写実的なイラストを描かれる方が増えてきましたね〜。
    うちの子どもも表紙絵を見てびっくりしていました。

    投稿日:2011/07/07

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  • 字が読めることは

    字が読めることは、今の日本に住んでいると、ある一定の年齢になると学校に行くのが
    当たり前で、そして字を習い、当然のように読むことが出来るようになり、極普通のこと
    のように感じてしまいます。

    でも、残念ながら世界のどこかではまだまだきっと、そうではないのかもしれません。

    この話は、19世紀後半のアメリカの黒人の男の子(後に教育者になるブッカー・T・ワシントン)
    が主人公で、どんなに字が読めるようになりたいか、そして初めて字を読んだ時の喜びが
    ものすごく伝わってくる本でした。
    それはクリス・K・スーンピートさんの絵が更に効果的にしてくれていると思います。

    この本の中で私が2箇所、心に残ったのが、
    岩塩の仕事場から帰ってきた時に勇気を持って、お母さんに「ママ、ぼくは字をならいたい」
    と伝えた時、お母さんは何も答えず、「ママはぼくの手をにぎりしめた。」と書いてあり、
    それから何日かしてお母さんが、僕に生まれて初めて本をプレゼントしてくれた時の挿絵が、
    とても印象的でした。

    お母さんが微笑んでいるのです。そして、他の家族も、まるで、主人公の僕が字を読める
    ようになることに自分たちの希望や夢を見出しているかの様な笑顔をしているのです。
    きっとこの家にとっては、その本を入手することは経済的に決して簡単なことではなかっ
    たでしょうに..

    もう1つは、その本を持って、字が読める唯一の知り合いを探しに行って、読んでもらい、
    そして自分も一緒に初めて読んだ時の挿絵が、まさに僕の喜びそのままを描ききっている
    ところです。あの笑顔は忘れられません。

    まるでこの本は、導かれるように辿りついた本でした。最初に『わたしのとくべつな場所』
    から始まり、『ぼくの図書館カード』、そして、この『ぼくが一番の望むこと』。

    それは、他の方のレビューのお陰であったり、また絵本ナビの「この本を見た人はこの本も
    見ています」コーナーに載っていたお陰です。

    是非、読んでみてください。とても、ジーンとくる本です。

    投稿日:2011/03/09

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  • 本当の意味で自由を得る

    • 事務員さん
    • 30代
    • ママ
    • 福岡県
    • 女の子6歳、女の子4歳

    黒人が閉ざされた社会の中で希望を持ち続け
    そしてその光を掴んだ瞬間のお話です。

    朝食も取らず暗いうちから塩を樽につめる仕事に出かける。
    パパと兄さんと。しかも裸足で。
    この絵本ではもう「自由だ」と少年が言っているので
    解放後のことです。

    「ママ、ぼく字が習いたい」と言った時
    ブッカーの心も本当の意味で解放されたようでした。

    パパもママもお兄ちゃんも学ぶことが出来なかった。
    でも、ブッカーはこれから学ぶことが出来る。
    まさに時代の変わり目です。

    終わり方もとても素敵です。
    自分の名前の文字を見るブッカーの表情がキラキラしています。

    小学校高学年向けだと思います。

    投稿日:2011/02/24

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