夢中で蝶を追いかけていると、風が吹いてきて、その風を体で感じていたほんの一瞬で、蝶を見失いポツンと一人。
先ほどまでの楽しさが一変し、気付けば取り囲まれた草の海。段々と心細くなり、急にハッキリと聞こえ出す自然の音が、さらに寂しい気持ちを助長させ…。
そんな、ゆーちゃんを一気に安心させる大好きなお母さんの声。
これって、誰もが夢中で遊んだときに経験する楽しさの裏の怖さじゃないでしょうか。とても心細くなったとき、救ってくれるのは大好きな人という安心感。
酒井さんの絵が、ゆーちゃんの心の変化を上手く表現されていて、「昔はよく、こんな気持ちになったっけ。いつだって、どんなときもお母さんが見つけてくれるんだよなぁ」と思い出させてくれました。
2歳の息子に、難しいかなぁと思いつつも読みましたが、とても引き込まれており、しっかり、怖さとお母さんに会えたときの安心とを感じ取っていました。これが伝わったのかと、少しビックリしましたが、ちゃんと感じ取っていて、子どもってすごいなぁと思いました。
それにしても、やっぱり、最後はお母さんですよね。