アメリカの三代大統領トマス・ジェファソン。ジェファソンには、正妻の他に奴隷のサリーとの間に七人の子どもがいました。
ジェファソンの存命中からその噂はあったようです。政敵が流した噂なのか、スキャンダルなのか?
その噂はサリーの子孫がDNA鑑定をしたことで確定されました。
この本は、サリーの子孫が、ジェファソンとサリーの子孫の両方にインタビューによって構成されています。
事実を受け入れるようとする人、しない人、いろいろな立場から語られたインタビューを読むうちに、奴隷制度があったアメリカの人種問題がそのまま浮かび上がってくるような気がしました。
黒人として生きる、白人として生きる、自らのアイデンティティをどこに求めて生きて行くのか。
「ルーツ」というドラマがありましたが、正にルーツをたどる旅でした。
日本に住んでいると見えにくい問題ですが、知られざる歴史をまた一つ知った気がしました。