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チェロの木」 ママの声

チェロの木 作:いせひでこ
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,760
発行日:2013年03月
ISBN:9784039639301
評価スコア 4.82
評価ランキング 241
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  • 引き継がれていく木の命

    いせひでこさんの十数年来の創作モチーフ‘木と人‘をこの作品で結実させたという。淡い水彩画が、心地よく、チェロの音色のように、優しく語りかけてくる。
    小鳥がさえずる練習して鳴くのを、ぐせりということを、知った。森を育てる仕事をしていたおじいさん。バイオリン、チェロ職人のお父さん。教会でチェロの音色を聞いて、チェロに心を奪われた息子のために、作ったチェロの音色は、紅茶のように、透明なあったかい色。
    やがてチェロの先生になった息子の小さなチェロは、生徒たちの腕の中であたたかい音をだしているという。
    忙しい現代だけど、何か大切なことを、思い出させてくれる、そんな作品でした。

    投稿日:2014/09/02

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  • 美しい…

    本当にうっとりするくらい絵がすてきです。
    いせさんの真骨頂。
    すてきでした。
    文章は長めなので、小さい子への
    読み聞かせとしてはちょっと飽きてしまうかもしれませんが
    6年生くらいなら大丈夫かなと思います。
    大人がしっとりとじっくりと眺めたい絵本でした。

    投稿日:2014/01/10

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  • おおきな巡りあわせの中で

    • あめはなさん
    • 50代
    • ママ
    • 東京都
    • 男の子18歳、男の子11歳

    大きなつながりに抱かれながら育まれていった少年の成長が瑞々しく描かれ、森と音楽の世界に引き込まれていく珠玉の絵本です。クリスマス、もしくは初夏、高学年以上の学生さんや、お父さんお母さんになられる方へのプレゼントにもいいと思います。子どもを大人の付属物ではなく、一人の人間として育てたい、そんな絵本でもあると思うからです。
    さて、経験したもの、見たものを描く画家の いせひでこさんは、チェロの美しい木目(マキアート)に触発されて、制作者に会うためにイタリアのクレモナに出かけ、取材をされたそうです。
    祖父と父、そして演奏家の存在に影響を受け、悠久の時をたたえた森に包まれ育った少年。絵本の言葉の確かさ、絵の奥行きや森の広がり、深い懐を感じながら絵本をめくっていき、季節の美しさや多感な少年時代のみずみずしさや、思索、希望が薫ってくるように伝わってきます。木に宿る生命、木の記憶している風景や音。それらが宿った木が職人によって楽器になり、木の見聞きしたものがチェロに宿っていく。曲を作った音楽家がいて、演奏者がいて音楽になる。「星がめぐるように、音楽が時間をこえてみんなをつなげていた」。また待つという時間の豊かさに醸成されて存在していくものの豊かさを感じます。
    最後に主人公は、子どもたちにチェロを教える道を選び、おとうさんが残してくれたチェロは教え子たちの腕の中で鳴り続けている。ちいさなころの主人公が感じた、「時間をこえてみんなをつなげていた」音楽の世界に主人公もまた連なり、伝える人になっていった。主人公が、森と音楽の星めぐりの一部になったようです。
    そのラストに ほっとため息をつきページをめくると、紅茶のように透明であったかくうつくしいものが、さえずりながら読み手を待っています。
    聞き手の11歳も、一心に聴き、ため息をついていました。

    投稿日:2024/11/28

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  • 何者かにならなくても・・

    森の育みが、こんなにも人生を支えるんだと思いました。

    お父さんが楽器職人である主人公の子が
    身近にある、森や木や、そこから作られた楽器に興味を持っていく。

    楽器を弾くことを続け
    ついには・・・・
    というラストを自然と期待してしまっていたのだが
    主人公は
    演奏家にも職人にも、ならなかった。
    子どもたちに教える仕事を続けている・・とあった。

    人生において、実は、劇的なゴールなんて
    そうおこらないのだ。
    でも、それぞれの納得や満足の落としどころで
    折り合いをつけて生きている。

    それも、幸せなんだと・・強く思った。

    投稿日:2024/11/04

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  • チェロ奏者だからこそ

    • レイラさん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子21歳、男の子19歳

    森の木を育てる仕事をしていたおじいさん、バイオリン・チェロを作る仕事をしていたお父さん。
    そんな環境で育った「わたし」は、やがて、お父さんの仕事に同行した時に出会った
    チェリストとも交流し、チェロに惹かれていくのです。
    もちろん、お父さんは無言でそれを察知し、子ども用のチェロを作ってくれるのです。
    音楽が紡ぎだされるまでの、多くの人の想いをそっと感じさせてくれます。
    楽器に秘められた木の命という視点はとても新鮮でした。
    自らもチェロ演奏者であるいせひでこさんならではの感性ですね。
    その世界観に、いせひでこさんならではの淡い絵がとてもマッチしています。
    チェロやヴァイオリンを弾く知人や身内にそっと紹介したいです。
    小学校高学年くらいから、この世界観、体感してほしいです。

    投稿日:2015/07/16

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  • 紅茶のように透明な

    いせひでこさんの作品、『ルリユールおじさん』や『大きな木のような人』が好きなので、こちらも読むのが楽しみでした。
    木も音楽も命も、それぞれが上手に受け継がれている様子が語られていて、とても感動します。
    絵ももちろん素晴らしいのですが、淡々と語られる文章にも惹かれました。「わたしのチェロは、紅茶のように透明なあったかい色だった」という一文が好きです。

    投稿日:2015/05/22

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  • 心が満たされました

    森の中をひとりで歩く少年の姿に、自然の偉大な営みを感じることができました。森の木を育てる祖父、その木を何年も乾燥させて楽器を作る父、そして、チェロの魅力に魅せられ、チェロとともに大人になっていった少年。亡くなった人たちは、チェロの中で生きているというその意味が、心に強く響きました。
    疲れていた私でしたが、このお話の世界の中に自分の身を置くことで、とても救われました。

    投稿日:2014/10/22

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