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エリカ 奇跡のいのち」 ママの声

エリカ 奇跡のいのち 作:ルース・バンダー・ジー
絵:ロベルト・インノチェンティ
訳:柳田邦男
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2004年
ISBN:9784062124850
評価スコア 4.5
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  • 本物の愛とは?と考えさせられる一冊

    生まれたばかりの愛おしい我が子を、走行中の列車から投げ捨てる。
    今の世であれば、まさに虐待でしかありえないような行為が、
    実は死を目前にした極限での、母の愛そのものであるなんて…
    平和な世では信じられない形で我が子への愛を表現せざるを得なかった
    エリカの母の心を思うと、胸がしめつけられる想いでした。


    縁あって柳田邦男氏の講演会を拝聴する機会に恵まれ、
    その場でこの絵本を知りました。
    自分のために購入した初めての絵本となりました。

    親として、胸を張って我が子にすすめられるその日まで大切にしまっておきたい本です。

    投稿日:2011/02/19

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    3
  •  『トミーが三歳になった日』 を何度も読んでいる息子に薦めました。

     強制収容所へ、親に抱かれて入ったトミーと異なり、エリカの親はもう一つの選択をしました。
     
     一人の人物がクローズアップされると、こんなにも戦争や民族迫害が具体的に私たちに迫ってきます。

     漠然と語られ、漠然と受け止め、頭で「反戦・反民族差別」を受け止めていますが、心で受け止め心から叫び出したくなるような作品でした。
     「命」の重さ尊さが、ずっしりと伝わってきます。
     
     エリカの母親の命を懸けた、「命」への希望。
     そして“死を共に”より、可能性の低い“決別の生”に賭けた苦悩・煩悶を思うと、読んでいて悲しみを通り越して苦しくなりました。

     エリカが命を繋げられたことを、母親に伝えるすべはないものか、と読後も涙が止まりませんでした。

     息子は、「本当に奇蹟の命だね。育ててくれた人も命を大切に考える人だったんだね。」と、鼻をかんでいました。

     高学年のお話し会で、是非読みたいと思います。

    投稿日:2010/04/24

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    2
  • 他人事ではなく読み語っていきたいお話

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子14歳、女の子9歳

    やらなきゃいけないことを見ない振りして、中2の子どもは黙々と読んでいました。声をかけても返事もしませんでした。
    (感想は聞いてません)

    訳者の柳田さんの本を読んで、ぜひ一度読んでみたいと、探してきました。今は図書館で借りてきたものですが、そのうち自分のコレクションに入れたい作品です。

    イラストが写実的で、表紙の絵なんて、一瞬写真家と思ってしまいました。この絵本を手にする人はもう、どんなお話なのかよく知っているで、ストーリーについては書きませんが、絵本の中で、「エリカ」の大人の姿(赤ちゃんの時の想像の姿は描かれていますが)は、一度も正面から描かれていません。
    私は「エリカ」があえて描かれていないところが、なんというか、すごくきました。
    これは実際にあった話らしいのですが、「エリカ」みたいな子どもは、たぶん、あらゆる戦火の中で、たくさんいたはずです。今はあえてニュースなどでは聞きませんが、日本人だって、大戦中大戦後と、中国大陸の方々が、当時敵国だった日本人の子どもを幾人も救って育ててくれていたんですよね。

    こういう話はたくさんの子どもたちに語っていきたいです。
    少々難しいところもあるし、戦争という子を理解できる年頃というのを考えると、読み語りは高学年くらいからがいいかと思います。

    投稿日:2009/06/04

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    1
  • 自分は死に向かいながら

    ユダヤ人大虐殺が行われたとき、強制収容所に運ばれる汽車から、赤ん坊を投げるお母さんがいたのだそうです。そこで生き残ったエリカが語るおはなし。
    こんなにひどいことが実話だなんて、つらく、胸が締め付けられました。
    エリカの「自分は「死」に向かいながら、わたしを「生」に向かって投げたのです」というセリフが印象的。平和な世界を願わずにはいられませんでした。

    投稿日:2022/04/23

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  • 深く深く考えさせられる本。

    深い深いお話です。
    子供のうちに読むより、親となった時に読む方がグッとくる考えさせられるお話かも知れません。
    命とは、平和とは、深く深く考えさせられます。
    自分だったらどうするだろうか、どんな選択をするだろうか。。。
    この本を読んだ大人たちが戦争を知らない子供たちに何か大切なことを伝えたい伝えないといけない、そんなふうにも思いました。

    投稿日:2019/09/01

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  • 読み継がれるべき作品

    ドイツの収容所に関するお話は、これまでにもいろいろありました。
    600万人もの犠牲が出ているのですから、それだけ多くのエピソードがあって当然です。
    その多くは死んでいく内容が含まれており、子供に読むには重く辛い内容です。

    この作品では、直接的には死ぬ内容はありません。
    主人公の「エリカ」は、大いなる両親の愛情に包まれ、驚くべき方法で九死に一生を得たからです。

    「エリカ」が生き永らえられたことは、本当に奇跡で、生きてくれていて良かったと思わずにはいられません。
    けれど、「生きていたから良かった」とは言えない歴史の深さが、作品全体から感じられます。

    これからを生きていく私達、そして子供達は、戦争体験のお話を本や映像でしか知り得なくなる時が来るでしょう。
    その時に、こうした作品は、とても重要な意味を持つ、そう思います。

    投稿日:2019/08/17

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    0
  • 生き残る確率

    第2次大戦中のユダヤ人虐殺の悲劇。
    そんな中、走る列車から外へ投げられたため難を逃れた赤ちゃんがいたと言う実話です。
    お話は、成長したその赤ちゃんが自分の物語を著者に話す形で進みます。
    自分たちはこのままでは殺されると察していた母は
    一縷の望みを託して胸に抱いていた赤ん坊を
    走る列車から投げ出します。
    読んでいて、このシーンはたまらない気持ちがしました。
    このまま自分といるより生き残る確率が高いと判断したのでしょうが
    それを実行する勇気がすごい。
    もし私ならできないと思います。

    こんな奇跡のドラマみたいなお話が、淡々と書かれていて、
    それがまた胸を打ちます。

    投稿日:2011/08/12

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  • 列車から投げ出された赤ん坊

    エリカというユダヤ人のお話。戦争の時代の話なので、ちょっと悲惨ですが、命を救うためにエリカのお母さんは赤ちゃん時代のエリカを列車から外に投げ飛ばします。無事生き延びたからよかったけど、ちょっと何かにぶつかったらここで死んでます。戦争って本当に悲惨だな、と思う一冊。

    3歳の子供には早かったので反応はいまいちでした。

    投稿日:2011/06/05

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  • ユダヤ人女性の実話

    • レイラさん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子16歳、男の子14歳

    表紙を見て写真かな、と思いましたが、
    よく見ると、克明に描かれた絵でした。
    でも、独特の臨場感が出ていています。
    作者が出会ったユダヤ人女性の実話だそうです。
    彼女は赤ちゃんの時、強制収容所に行く貨車から、走行中に放り投げられたというのです。
    それは、もしかしたら生き延びてくれるかもしれない、という両親の願いそのものだったでしょう。
    幸いにもその赤ちゃんは奇跡的に良識のある人に拾われ、
    育てられたのが彼女だったという訳です。
    戦争という現実と、生き延びてほしいという願いがよく伝わってきます。
    この実話から感じ取ることはたくさんあると思います。
    こうして、エリカのエピソードが、作者の手を通じて、
    そして、翻訳者も目に留まり、私たちに届いた、ということにも、
    感謝しなければ、と思いました。

    投稿日:2010/04/14

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  • 母親の勇気

    • くるりくまさん
    • 30代
    • ママ
    • 新潟県
    • 女の子8歳、女の子5歳、男の子2歳

    戦争中のユダヤ人のひとつの物語。
    小3の娘が「アンネの日記」を読んでいるのを見て、同じ時代にこんなお話もあったことを知ってほしくて、娘に差し出しました。

    強制収容所へ送られる汽車の中から、生き延びて欲しいとの希望をたくして赤ちゃんを投げた母。
    そして、そのユダヤ人の赤ちゃんを育てた母。
    二人の母の勇気に、心が揺さぶられる思いでした。

    600万人ものユダヤ人が殺されたという数字を聞いても、ただ数字に驚くだけです。
    しかし、こうして一人の人の物語を知ると、一人一人の大切な人生、600万通りもの人生がその奥に隠されていて、それが強制的に終わらされたことに、ものすごく重いものを感じました。

    投稿日:2009/07/18

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