『トミーが三歳になった日』 を何度も読んでいる息子に薦めました。
強制収容所へ、親に抱かれて入ったトミーと異なり、エリカの親はもう一つの選択をしました。
一人の人物がクローズアップされると、こんなにも戦争や民族迫害が具体的に私たちに迫ってきます。
漠然と語られ、漠然と受け止め、頭で「反戦・反民族差別」を受け止めていますが、心で受け止め心から叫び出したくなるような作品でした。
「命」の重さ尊さが、ずっしりと伝わってきます。
エリカの母親の命を懸けた、「命」への希望。
そして“死を共に”より、可能性の低い“決別の生”に賭けた苦悩・煩悶を思うと、読んでいて悲しみを通り越して苦しくなりました。
エリカが命を繋げられたことを、母親に伝えるすべはないものか、と読後も涙が止まりませんでした。
息子は、「本当に奇蹟の命だね。育ててくれた人も命を大切に考える人だったんだね。」と、鼻をかんでいました。
高学年のお話し会で、是非読みたいと思います。