第二次世界大戦中、オランダの農家にかくまわれていたユダヤ人姉妹の物語です。
つい最近スウェーデンに逃れていたユダヤ人姉妹の物語『海の島』を読んだばかりだったので、比較しながら読んでいました。
当時中立国だったスウェーデンではドイツの侵攻はなくそれでも海への機雷はあり、食料は配給制であったこと、一方ドイツの隣国であるオランダでは空爆があり、ドイツ軍の侵攻はありやはり食料は配給制でした。
ただ、スウェーデンに逃れた姉妹には学校へ行くこともでき、自由に歩くことができたこと。『シニとわたしのいた二階』ではアンネのように隠し部屋で息をひそめて過ごす姉妹の様子が描かれています。
戦時下であっても明るい農家の生活や、家族のやりとりは戦争であることを一瞬忘れてしまうほどですが、それでもドイツ軍が階下までやってくる緊張感は戦争の厳しさを感じさせました。
戦争を語り継ぐこと、戦争を経験した人が亡くなっていく今だからこそ、物語を通して私たちも考えたいことだと思います。