中国・満族の民話。
正月の頃、氷の彫像を家の前に飾る風習のいわれのおはなしです。
ガーシャン村の人々は平和に暮らしていたのですが、
ある日、九つの頭を持った鳥がやってきて、村をめちゃめちゃにし、
人々をさらうようになったのです。
この村の勇敢なアジク少年は、若者たちと、この怪鳥退治に出かけるのです。
ところが、早々にひとりぼっちになったアジク少年は、
不思議な娘の力を借りながら、大活躍します。
でも、すんでのところで、怪鳥は生きながらえ、アジク少年は死んでしまうのですね。
怪鳥が今なお生きていることへの恐れからの、この氷像という風習。
もちろん、この怪鳥は、人々の災難の象徴かもしれませんね。
退治はできないが、うまくかわしながら、人々は生きていく、
そんなふうに感じました。