この絵本を最初に見つけた時、「やさいのがっこう」って何だろうと考えました。
表紙にはトマト、キャベツ、ダイコン、ナス、その他馴染みの野菜たちがかわいいイラストで描かれています。
野菜たちは「やさいのがっこう」で何を勉強してるのだろう。
その答えはすぐに解けました。
最初に書いてあります。
「おいしいやさいになるために」彼らは「がっこう」に通っているのです。
そして、「つやよし!」「いろよし!」「かたちよし!」の三つに合格すれば、「ごうかくシール」を貼ってもらって、「やさいのがっこう」を旅立つというわけです。
つまり、卒業。
勉強もしないで卒業できる学校とは大違い。
野菜たちはこの「ごうかくシール」を憧れにしているのです。
この絵本のタイトルに「とまとちゃんのたびだち」とあるように、この巻でとまとちゃんが「ごうかくシール」を貼ってもらえるまでの苦労が描かれています。
どうしてとまとちゃんは苦労したのでしょう。
それはお天気でした。
合格間近のいい色にまで成長したとまとちゃんですが、あと少しで天候がよくありません。
毎日曇りとか雨。
野菜を育てるのに一番難しいのが、天候です。
暑かったり寒かったり、雨がたくさん降ったり、全然降らなかったり。
とまとちゃんだけでなく、たくさんの野菜にも影響します。
このとまとちゃんを助けるのがみょうがちゃんとクレソンくん、というのが渋い。
子どもたちに読んであげるときにはこれらの野菜の現物を用意してあげるのもいいかもしれません。