ポール・ガルドンは、1914年ハンガリー生まれ。
1928年14歳のとき、家族でアメリカ移住し美術学校に通った後、出版社の美術関係の仕事に就き絵本の世界へ足を踏み入れています。
民話やグリム童話などを再話し、挿絵を描き生涯にわたり300冊以上の作品を世に送り出したアメリカの人気絵本作家。
「ひよこのこんこんがとまらない」「ふくろのなかにはなにがある」辺りを読まれた方が多いのではないでしょうか。
今回の作品も再話っぽい話。
1968年の作品で、邦訳は1995年。
ある日、めんどりペニーが落葉をひっかいていると、
どんぐりが落ちて来て頭に当たりました。
「まあ大変! 空が落っこってくる!!」と、あわてんぽのペニーが空が落ちてくる事を王さまに知らせるため、お城へ向かうというシーンから始まります。
途中で出会った、おんどりロッキー、かものラッキー、がちょうのルーシー、しちめんちょうのラーキーもペニーと共にお城へ急ぎます。
最後に出会うのが、きつねのロキシー。
ロキシーはお城への近道を教えてくれるのですが、結末は、あっと驚くものです。
こんな結末ってあり?と一寸思ってしまうシュールな作品です。
賛否両論あるかも知れませんが、面白さが勝る物語だと思います。
狡猾なキツネをポール・ガルトンが描くと最高で、近道を教える時のキツネの表情は秀逸としか言いようがありません。
文章は長いのですが、リズミカルなのでさほど気にならないで読み聞かせできるとはず。
気になるのは結末を面白いと理解できるかどうか。
対象年齢が難しいところで、年長でもかわいそうという意見が多くなるかも知れません。