(絵本紹介の上での)度アップで描き出された3人組は、
お世辞にもカワイイと思えないけれど、
どうも気になって直に見てみたいと購入することにしました。
3人組の印象は読む前とは違い、子供のように純粋で屈託のない笑い顔で、
読むほどに愛着さえ湧いてきました。
絵本の構成も、今まで出会ったことがない世界観ですが、
違和感なく自然と引き込まれて読み進むことができました。
絵もはみ出さんばかりの大迫力な所もありつつ、細かい描写もあって、
自分の中での新しいカテゴリーが出来たように感じて大満足しました。
息子への読み聞かせでは、3人組の声色をへんてこりんに使い分けて読んであげると、
すぐに気に入って何度でも持って来るようになりました。
なかでもドモり気味でおっとりした“おたからまんちん”は
我ながらうまいことハマッたなと思いました。
表紙の暗く怪しい雰囲気とは対照に、穴の中はとっても色鮮やかな、
喜と楽にあふれた異世界で、一度でいいから行ってみたいと思わされる反面、
これはきっと傷心した子供が作り上げた幻想の世界であり、
大人は受け入れてもらえないんだろうなぁと感じました。
違う意味では、この絵本をきっかけに我が家の絵本棚には確実に
“降矢なな”ワールドが広がっておりますが。