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うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの

うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの (小学館集英社プロダクション)

お子さまの塗ったぬりえが、アニメーションになる!フランス生まれの画期的なぬりえシリーズ!

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ローザ」 パパの声

ローザ 作:ニッキ・ジョヴァンニ
絵:ブライアン・コリアー
訳:さくま ゆみこ
出版社:光村教育図書 光村教育図書の特集ページがあります!
税込価格:\1,870
発行日:2007年05月
ISBN:9784895726641
評価スコア 4.54
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  • 差別を考えさせる本

    • オカズさん
    • 50代
    • パパ
    • 東京都
    • 女の子21歳、男の子18歳、男の子9歳

    人種差別をなくすための運動家としてキング牧師は有名です。でも普通のどこにでもいるような女性が、黒人が座ってもいいとされている席を白人に譲れと言われたことに対し、ノーと言ったことによってその女性が逮捕され、彼女を見殺しにするなと考えた黒人たちがバスボイコット運動をして、その運動のリーダーになったのがキング牧師であり、この運動によってバスの中では白人・黒人を差別してはならないという最高裁判決を勝ち取っていくという内容です。タイトルにもなっているローザ・パークスはアメリカの公民権運動の母と呼ばれています。
     もし自分がその場にいたら、ごたごたを起こしたくはないので譲ってしまうでしょう。だからローザはどこにでもいそうな女性に見えてしまうが、どんな人よりも強い意志を秘めた女性なのでしょう。
     人種差別だけではなく、さまざまな問題を一つ一つ長い時間をかけて解決しながら作り上げていった国がアメリカなのだなと思いました。アメリカでは知らない人に会ったら笑顔を見せなくてはいけないが、日本では新幹線で隣の席に座っても挨拶一つしないでいる場合が多い。しかしこのことはアメリカ人が社交的だということではなく、他人は何を考えているかわからないから、私はあなたに危害を加えるつもりはないんですよ、ということを暗に表現するために笑顔を見せるのだということを以前テレビで聞きました。
     この点日本は幸せな国と言えると思います。でも日本では人種差別は一部の例外を除いてほとんど存在しないように見えますが、目に見えないような差別はさまざまあって(外国人は何十年も日本に住んでいて日本国籍も取り、日本語も日本人以上に話せたとしても、日本人とは思われない点など)に、目に見える差別よりは一層やっかいだなと、そんなことも考えさせられた本でした。

    投稿日:2008/04/30

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  • 差別を考えさせられる絵本

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    2006年のコールデコット賞オナー賞受賞作品。
    ニッキ・ジョヴァンニ/文、ブライアン・コリアー/絵による作品で、「リンカ−ンとダクラス」でもコンビを組んでいます。

    ローザ・パークス(Rosa Parks、1913年2月4日 - 2005年10月24日)はアメリカ合衆国の公民権運動活動家。
    1955年12月1日。
    ローザは、アラバマ州で公営バスの運転手の命令に背き白人に席を譲るのを拒み、人種分離法違反で逮捕されます。
    これを契機にモンゴメリー・バス・ボイコット事件が勃発。
    その出来事を描いた実話に基づく絵本です。

    ローザは、アラバマ州のモンゴメリーのデパートで、服の仕立てや修理の仕事をしていました。
    ある木曜、仕事の帰りローザはバスに乗りこみます。
    当時のアメリカ南部州には、ジム・クロウ法(Jim Crow laws)と呼ばれる人種分離法が施行され公共交通機関を除く日常生活のあらゆるところで黒人と白人は隔離されていました。
    バス・レストランなど公共の場所で人種隔離が実施され、また黒人の投票権も事実上制限されていたのです。

    バス内は白人席と黒人席に分けられ、中間席はどちらが座っても良いことになっていました。
    黒人席が一杯だったのでローザが中間席に座っていると白人が乗って来始め、立つ者も出てきたのです。
    そのため運転手が、中間席に座っている黒人に立つよう命じます。
    坐っていた黒人4名中3名は席を空けたが、ローザは立たちません。
    運転手は、ローザのところにやって、
    おとなしく立ったほうが身のためだぞ」と言うと
    「どうして、わたしたちを差別するんですか?」
    と答えます。
    運転手の「警察をよぶぞ!」との脅しにも、
    ローザは「おすきなように」と穏やかに答えるのです。

    極めつけは、やってきた警察官の「おばちゃん、席を立つつもりでいるんだろう?」との尋問への答えです。
    ローザの答えは、「ノー」

    ローザは逮捕され、その知らせが伝わると、大きなうねりとなります。
    マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師、女性政治会議、全米黒人地位向上協会などが中心となり、モンゴメリーにおける黒人のバス・ボイコット運動が展開します。
    当時のバスは、貧しい黒人にとって必須の交通機関。
    でも、崇高な思いをもって、毎日歩き続けたのです。
    やはり、ローザが「ノー」と言った勇気に、何としても応えて自らの地位、尊厳を確かなものにしたいという思いが、何事にも勝ったということなのでしょう。

    バス路線を運営するモンゴメリー市は経済的に大きな打撃を被り、1956年11月13日、最高裁判所は違憲判決を出し公共交通機関における人種差別を禁止することになるのです。

    今や、バラク・オバマという黒人の大統領を輩出しているアメリカですが、ここまで辿り付くのに、どれほどの大きな時間を要したのか、知らないとなりません。
    私自身、このモンゴメリー・バス・ボイコット事件を知りませんでしたし、アメリカに差別の歴史があったということを知る機会は減っていくだけだと思います。

    1955年ですから、私達が生まれる一寸前に、これだけ明らかに黒人に対する人種差別があったという事実。
    しかも、そんな時代に、黒人のしかも女性が、きっぱりと「ノー」と言ったというのは、どんなに勇気がいたことだろうと感銘せずにはいられません。
    日本は島国であったことから、人種問題もなく人は平等だと当たり前のように思っています。
    勿論、貧富の差はあれど、子供でも、平等と考えているはず。
    けれども、世界を見渡せば、差別のあった歴史を持つ国は多く、差別がある国はまだ存在しているのも事実です。
    子供達には、是非こうした現実を知って欲しいし、この絵本はその教材としてはベストに近いと言えると思います。

    見開きにして4ページにわたるボイコットのシーンは、圧巻。
    そして、ローザのきりっとした目は、強い意志が感じられるもので、実に物語に相応しい絵だと思いました。

    子供だけでなく、大人にも読んで考えて欲しい作品としてオススメします。

    投稿日:2011/04/16

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  • 子どもと大人の課題図書

    この夏県内の読書感想文の課題図書になった絵本です。
    どうして課題図書に選ばれたのかなど考えつつ手に取りました。

    実話を絵本にした話なので、ストーリーも落ち着いて現実的。
    バスの中で、差別意識への抗議と、『いろいろな制限は受け入れた上で、ここは自分達が座っても良い場所だ』と正当性を主張(席を空けるように説得する運転手、やってきた警官に答えたただ一言の「ノー」)をしたために、逮捕された黒人女性のローザの話。
    その行動が、バスへの乗車ボイコット運動になり、キング牧師の指導も加わり、無罪と平等を勝ち取る。
    しかし、この話はその前にあったブラウン判決があってもなくならない差別、黒人少年エメットのリンチ死事件とその犯人が無罪となったなど時代の中に火種をくすぶらせていた社会によって起こりえた話ではあります。

    それにしても「ノー」と言う勇気と、それから始まる運動への参加。これは素晴らしいことです。

    そこで話を戻すと、何故課題図書になったのでしょう。
    差別を考えると言うことでしょうか。
    実は、自分自身のことを考えると、自分はローザを責め立てる白人にも、差別をうけいれて権利を放棄していた黒人にもなれるのです。
    逆にローザや、差別反対の運動の中に入るだけの勇気には自信が持てない。
    子ども達は同だろうか?
    せめて傍観的な読み取りはして欲しくないな。

    もう一つ、我が子が主張したり、「ノー」と言ったとき、問答無用の警官タイプであったり、運転手タイプになることは簡単。
    それを教育と言ってしまうことも簡単だけど、子どもを取り巻く環境、子どもの権利も考慮出来なければいけないと思います。

    大人にとっても課題図書だと感じました。

    投稿日:2009/09/28

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