子どもができない夫婦がやっとさずかった親指の大きさの男の子。
大切にそだてられたおやゆびたろうの冒険と、持ち帰った富の話が、とても情緒があって、日本的昔話だなと感じさせられました。
でも、このお話、グリム童話の『おやゆびこぞう』とストーリーがちょっとにているところでも印象的です。
ヨーロッパにも日本にも同様の昔話があったということなのでしょうか。
『おやゆびこぞう』の主人公が、馬の耳に立って声をかけながら馬を繰るところは同じ。
『おやゆびたろう』は魚のおなかに入ってしまうのですが、『おやゆびこぞう』の場合はオオカミのおなかの中でした。
似ているけれど違うのは、『おやゆびこぞう』が活劇であるのに対して、『おやゆびたろう』は日本的で激しさは少ないというところでしょうか。
読み比べてみると面白と思いますが、子どもを思う親心は共通でした。