2009年度の課題図書(第55回青少年読書感想文全国コンクール課題図書)に選ばれたスイスの絵本。
その設定が、きつねとうさぎが出会うとおやすみなさいを言う約束がある場所というもの。
うさぎのぼうやを食べようかという瞬間に、ぼうやが発した言葉が「ちょっとまって」
その約束について念押しするのですが、その「ちょっと まって」のぼうやの力強い態度と、きつねのきょとんとした表情が対照的です。
それから、何度もぼうやは「ちょっと まって」を繰り返すのですが、利口なぼうやと間抜けなきつねのやりとりは、純粋に楽しめるものです。
それにしても、ぼうやが、パパうさぎにも「ちょっと まって」というシーンなんて圧巻もの。
話の筋が通っていて、エンディングまでワクワクしながら読みすすめることができました。
話の出来の素晴らしさもさることながら、その絵がまた見所満載です。
おおかみの口なんて、かなりリアリティをもって描かれているのですが、不思議と怖さが感じられないので、安心して見せられます。
一番気にいったのは、眠っているきつねを、うさぎの家族が力を合わせて引っぱるシーン。
何度見ても笑ってしまいます。
ストーリーも面白いし、絵も見るだけで楽しいので、是非オススメしたい作品です。