新装版 ゆきのひ」 パパの声

新装版 ゆきのひ 作・絵:佐々木潔
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,980
発行日:2002年
ISBN:9784061322615
評価スコア 4.33
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  • 雪かきは大変です

     雪というのはセンチメンタルですが、時に過酷でもあります。
     特に雪のほとんど降らない都会の人にとって、雪はあこがれのようなもの。降ってきたら、子どもたちの歓声が聞こえてきます。
     でも、雪国の人にとっては屋根の雪下ろしとか日々の生活に重くのしかかってきます。
     雪が降ってきたら、空を見上げて、雪国の人たちのそんな生活に少しは思いをはせてみるのもいいかと思います。
     この絵本のように。

     この作品で作者の佐々木潔さんは講談社絵本新人賞を受賞しています。(1980年)
     絵本を読むと、雪国の小さな駅の、雪の日の様子が淡々と描かれています。佐々木さんはきっとそんな世界で育ったのだろうと思ってしまいましたが、作者のプロフィールには東京生まれとあります。
     東京で生まれて育っても、こんなにうまく雪国の生活を描かれるのですね。
     雪にはそんな力があるのかもしれません。

     雪が降り続く駅の朝。駅員さんの仕事は、まずホームの雪かき。お客様が滑ったりしたら、危ないですからね。でも、この駅には都会の駅のようにたくさんの利用者がいるわけではありません。
     たった4人。
     でも、この駅がないと、この人たちは困ってしまいます。
     彼らが行ってしまうと、次は小荷物の送り出しです。
     都会に住む子どもたちに故郷のお母さんから何か送ってあげるのでしょうか。
     貨物列車が駅に到着しました。
     小さな駅に、新しい荷物が届きました。この中にはどんなものがはいっているのでしょう。
     雪は静かに、静かに、降り続けます。この絵本には文はついていません。
     読者は静かに雪の音を感じればいいのです。
     駅員さんは朝の乗客が帰ってくるまでに、またホームの雪かきです。
     やさしい駅員さんです。

     そして、夜になりました。どうやら、雪もやみました。空には大きな三日月が。
     きっと音も消えた、静かな夜でしょう。
     こんな素敵な「ゆきのひ」を、東京で生まれた佐々木さんはどうして描けたのでしょう。
     きっと、雪の日に降ってくる空を見続けたのではないかしら。

    投稿日:2016/01/24

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  • 田舎の駅の日常の細密画

    田舎の駅のありふれた日常を描いています。その描き方にとても細かい配慮があります。雪の日であることが、さらに膨らみを見せてくれました。
    言葉なしの絵本だから見る側に任されている部分が多いのですが、同じ佐々木潔の『なつのおわりのうみは…』に比べると、ディテールへのこだわりが多いだけに淡々とし過ぎているように思いました。
    田舎の駅。
    今ではあまり見かけないタブレット方式。
    単線で、上り下りの入れ替わりのある駅。
    この駅員さんは、雪かきをしたり、通る列車のタブレットを交換したり(タブレットの色が変わっているところがポイント)、客車に乗る人たちと話したり、貨物車の荷物の受け渡しをしたり、合間には駅舎の中で何かしている様子まで見せてくれます。
    朝早くから夜遅くまで働いているので(駅舎の中の姿も見せてくれます)、ひょっとするとこの駅舎で生活していたりするのでしょうか?
    駅名をさりげなく隠れるようにしているのですが、いろいろと細かい配慮があって、間違い探し状態になってしまう可能性もある絵本です。
    言葉のない絵本ですが、ぬくもりを感じる絵本。
    ですが、『なつのおわりのうみは…』で感じた心の描写に対して、淡々としている分余韻が少し少なかった分星ひとつ減らしました。
    佐々木さん、ごめんなさい。

    投稿日:2009/12/16

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  • ゆきのひは、しずか。

     ゆきは、いつのまにか降っている。降り始めると、どんどんつもる。あっという間に一面真っ白になる。
     そして、いつのまにか、街は静かになっている。雪は、音さえもきれいにその白の中に取り込んでしまう。聞こえてくるのは、時たま通る車が雪を踏みしめる音。チェーンの音。電線に積もった雪の落ちる音。
     私の住んでいる地方は、雪は年に1、2回しか降りません。きっと雪国の人とは、雪に対する感じ方は違うと思います。でも、この本は、雪が降っているときの「音」までもあらわしているなあと感じました。

    投稿日:2005/01/23

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