涙が出そうになりました。
ちびすけにとって親友であり、尊敬の対象であるじいじ。木と話しができるじいじ。褒めると「なんも なんも」と謙遜するじいじ。笑顔で暖かく包んでくれるようなじいじ。いつまでも一緒にいられるのが当たり前に思っていたじいじが病気になり、初めて、かけがえのない者を失うかも知れない絶望感に襲われるちびすけ。じいじの分身であるかのようなさくらの木に一生懸命お願いする姿にじーんときます。じいじと見られたさくらは、感動のあまりか、絵というより映像として目に飛び込んで来るようでした。少し寒さの残る澄み切った青空の、清々しい日の“満開のさくら”です。おみごとの一言に尽きます。“はなが ふってきた”という一文は「まいごのどんぐり」のように、人と木が通じ合えたようで、静かな余韻を残してくれています。是非大人に読んで欲しいと思えた作品です。