読み聞かせボランティアに来ている、保育者を目指す学生さんにこの本を紹介しました。 この絵本の読み聞かせを聞いて、自分たちは最近「どうぞ」という言葉をあまり使っていないことに気づきました。保育者を目指す自分たちだからこそ、相手を敬い、相手の立場になって発する言葉を大切にしなければいけないのに、言葉を大切にしていなかったと少々落ち込まれていました。 私は、気づくことが大切で、そこからスタートではないのかと伝えたところ、学生さんは「保育園でこの絵本を読んできます!」と元気に実習に行かれました。
実習を終えた学生さんが、また絵本ボランティアに来てくれたとき、「保育園でどうぞのいすを読みました!子ども達が何度も読んで!読んで!と言ってくれ、とても嬉しかったです。子ども達に何度も読んでいると、普段の生活の中で、”どうぞ””どうぞ” ”ありがとう” ”どういたしまして”とみんなが相手のことを思いやりながら生活をしている姿を見ることができました」と嬉しそうに話してくれました。「絵本を通して、子ども達に言葉の大切さ、相手を思いやる気持ちを伝えるって、こういうことなんだと実体験することができました。あと、恥ずかしいですが、自分たちもメールやラインで略語を使っているのですが、子ども達のお手本になれるよう、たくさんの絵本を読んで、伝える言葉の大切さを学びなおそうと思いました。」と話してくれました。この学生さんたちにとって、言葉のあたたかさ、人を敬う気持ちを再認識させてくれて絵本が”どうぞのいす”だったようです。
この話を聞いて、私も嬉しくなりました。