【内容】
メキシコのオアハカ州に住む10歳の少女の日常を、写真で紹介する。ほとんどの人が織物業に携わる小さな町で、一家5人で暮らしている。家族のこと、学校のこと、食事や仕事のこと、「死者の日」と呼ばれる行事のこと…
巻末にはメキシコの情報が簡潔にまとめて書いてある。
【感想】
フリーダ・カーロ(女性の画家)が好きで、メキシコは行ったことがないけど親近感がある国。全く文化も歴史も違う国なのに、なぜか親近感を持ってしまう。
一番好きなのは「死者の日」と呼ばれる、日本のお盆のような行事。死んだ人との距離が近いメキシコは、ガイコツやお化けなどが割と身近に存在しているらしく、死んだ人も明るく楽しい雰囲気でやってくるようだ。
主人公のリセットは、父が織物職人、母は市場でエプロンを売っている人、兄弟姉妹や親戚と仲良く暮らしている。この町の小学校は、午前中と午後で校舎を使い分けているそうで、彼女は午後に学校に行くという。写真を見る限り、どの人も決して裕福とは言えない感じだが、生き生きと楽しく暮らしている様子が感じられる。
リセットは、小さいころから親の仕事を手伝ているので、市場で店番していても知っている人が多くて楽しそうだ。家業に関わっている子ども時代というのは、いろいろ苦労もあるだろうけど、人として素晴らしい体験を詰めるのだろうと思った。お金を稼ぐ大変さや、人間関係のあれこれ、人に助けられたり助けたり…人情味がある温かい環境で、のびのび育っていて、幸せだと思った。
ぜひ、メキシコに行ってみたいと思った一冊。できれば、死者の日に行ってみたい。