絵本の「ヒロシマ消えたかぞく」に心打たれてから、ずっと待ち望んでいた本のような気がします。
広島原爆で死んでしまった家族の記録を、どのように掘り起こし、どのように向き合って、どのように形にしたのか、指田さんの思いと行いを知りたかったし、絵本の向こう側にあるものとちゃんと向き合いたかったからです。
写真が残っていたのも奇跡ですが、まだ存命だった家族が、死の瞬間まで生き生きと暮らしていたことと、それが一瞬の閃光で消え去ったことを伝えることの重さが、いかに大きなことか、衝撃をもって絵本を受け止めたからです。
この「ヒロシマ消えたかぞくのあしあと」は、単に絵本を補完するだけでなく、絵本で紹介された原爆の悲惨を現代につなげる、とても意味ある本に間違いありません。
あの日どのようなことがあったのか、生き延びた人、はかなくなった人、町の風景までを絵本と結びつけ、広島原爆死追悼平和祈念館の取り組みまでをつないで、反核の思いを新たにさせてくれました。
子どもたちと一緒に大人にとっても必読書のように思いました。