せっかく海に来たのに、自分のお尻が大きいのを苦にして水着を着ないでふてくされている姉に、妹が妙なたとえを連発して「お姉ちゃんのお尻はかわいい」と思ってもらおうとする変な話。
タイトルからして挑発的。刺激的なテーマ。年頃の乙女の体の悩みと、のんきな少女の対比が愉快。女の子は小学校高学年くらいから、はっきり自分でわかるくらい体が変化して、大人の女性になっていく。それまですらっとしていたお尻は丸く盛り上がってきて、大人の女性の大きくてぷりんとしたお尻に成長する。セクシーなお尻は魅力的なのだが、微妙な年頃の女子にはなかなか受け入れがたい。そんな心理を、男性の筆者がどうやって知ったのか?ミステリーだ。
凡人で煩悩にまみれてのた打ち回るお姉ちゃんの深刻さ・声のかけにくい雰囲気に全くかまわず、能天気な妹の、これまた妙ちくりんなたとえ話が、まったく相手の都合や機嫌や空気を読んでいなくて楽しい。お尻が大きいことで得した人たちの楽しい話を連発しまくり、それが延々と続くので最初の目的(海で泳ぐ)を忘れる。
忘れたころにやってくるビックリ仰天の結末は…是非とも本書を読んで体験して欲しい。人生、変わりますよ。こんなインパクト。