「ど」をメインに「ドレミファソラシド」という音階を使って描かれた絵本です。まずは見落としてならないのが最初のページ。タイトルの下にシャベルカーと、シャベルカーがこれから走る黒い道路が描かれています。うーん。よく見るとト音記号と五線譜が・・・。そうこれって楽譜の上をシャベルカーが走っていくんですね。
楽譜の上を走っていくシャベルカーが出す音は、「どれみ」だったり「どれどれ しどしど」だったり。またこの一見、音階のように聞こえる文章も、ショベルカーの意気込みや焦りを表しているのです。また音が流れるように絵本が進んでいくので、あっというまに娘をとりこにしてしまいました。
もうひとつ五味さんのユニークなしかけが・・・。
シャベルカーのアンテナに注目してみるととても面白いことに気が付きます。そう、アンテナがシャベルカーの表情を豊かに表しているんですね。壁にぶつかった時は、アンテナがギザギザに曲がったり、穴を掘って突き進んでいる時は、アンテナが天井の高さに合わせて、ふにゃりと曲がっていたり。
同じ五味さんの音の絵本の「るるるるる」では、飛行機の黒い窓が同じように、表情や気持ちを表していたのですが、飛行機やシャベルカーなど、生き物ではないものも不思議と五味さんの手にかかれば、まるで生き物のように生き生きとしてくるので不思議ですね。
最後は、「どしらそふぁみれどじえんど」でシャベルカーが車庫に無事に帰っていきます。ラストもすっきりしていてよかった。たくさん冒険してきたのだからたっぷりご飯(燃料)もらってね。