森のそばの古い家。名前はイエコさん。
前の住人はひっこしてしまい、今は誰も住む人がいません。
ところがところが、イエコさん、目を開き隠していた手足を伸ばし、
「ひとりぼっちでも たのしくくらすわ」と立ち上がりました。
何匹もの動物たちが訪れましたが、ここに住みたいというと、
「とっとと おかえり」とつれない返事。
それを聞いた動物たちは「ふん ひとりぼっちで さみしいくせに」
そのとたん、イエコさんは手をのばし ぱくり ぺろり とかたっぱし
から訪問者を飲み込んでいきます。
題名もインパクトがあるし、角野栄子の文にユリア・ヴォリの絵って
すごいタッグ。
表紙のお家はやはり北欧風でチャーミング!!
と思って手にして見ましたが、正直途中まで怖いです。
高飛車な物言いと何のためらいもなく、丸呑みしていくその姿。
その後は何もなかったかのように
エクササイズエクササイズ
突然笑顔の動物たちがあらわれますが、ぱくりぺろりの迫力に私には
最後までイエコさんがやさしそうには見えなくて、あれっこのまま
終わるの…
期待が大きかっただけに少し肩透かしを食らった感がありました。
たしかに「やさしいのが こわいのさ。 こわいのが やさしいのさ」
というせりふがありますが、小さな子供たちはどう感じるのかな。
ある意味忘れられない一冊にはなりそうです。
さすがユリア・ヴォリです。