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インドの昔話、と副題にあります。 正確には、お釈迦様の前世のお話、ジャータカの再話となります。 『あわてんぼうウサギ』と同じエピソードですが、淡々とした語り口です。 心配性のノウサギが、ヤシの葉の上に落ちたマンゴーの音にびっくりし、 逃げだして大騒ぎになるのです。 面白いのは、追随する動物たちが1000単位での大移動だということ。 なるほど、なかなかダイナミックです。 生息地もはっきり分かれていて、昔話らしい繰り返しがクリアーです。 もちろん、対峙するインドライオンは一頭。 お釈迦様の正体は最後まで明かされません。 どちらかというと、動物たちによる寓話に焦点を当てた印象です。 原題は『THE RUMOR』、うわさという意味です。 邦訳は、確かに直訳だと味気ないですね。 思い切った意訳に、拍手!
投稿日:2017/05/29
昔話は、見つけると必ず読むことにしています。 どこが火元かわからない噂に乗ってしまういわゆる風評被害というのは、昔からあったんですね。 1000頭もの動物が移動する様は、怖さもありますし、この話の収拾はどうつけるのだろう?と気になりました。 正しい情報を見極めること、扇動されないことなどこのお話の教訓はいろいとありそうだと思いました。 今までに読んだことがないタイプの昔話でした。
投稿日:2009/11/25
これはインドのむかしばなしです。 心配性なうさぎのせいで、森の動物たちは大騒ぎ! 最期にライオンが事を収めるのですが、その振る舞いが立派。 そこで私が思ったこと。 やはり、普段から余裕を持てば、少々のことでは驚かないし慌てもしないのでは? 子供は、絵が鮮やかで躍動感あふれているせいか、すごくよく聞いていました。 それに、‘せかいがこわれる‘なんて、ちょっとびっくりしますものね。
投稿日:2008/11/30
冒頭にインドに伝わるジャータカの再話とあります。 ジャータカを調べてみました。 こうした背景を理解して読むのと読まないとでは雲泥のさがあります。 「ジャータカは本生経とも漢訳される仏教の説話です。 ジャータカという物語は、過去(前世)のよい行いをした人物(動物の場合もあります。)を引き合いに出して現在の人物を戒めたり、褒め称えたりしてそのよい行いを教えさとすべく説かれた経典です。 ジャータカはいわば童話・寓話の類で他の仏教経典に比べればかなり読みやすいものです。」 原題は、「Rumor」 心配がりやのノウサギが、世界が壊れると勘違いして走り出したら、回りの動物達もそれを信じて、一緒に走り出します。 1000頭単位というのが実に迫力あります。 でも、一匹のライオンだけは、世界が壊れるのを見たものがいるのか?疑問に思って問いただすのです。 真実を見極めないで、噂を鵜呑みにして行動することの危うさを伝えてくれる絵本です。 どの動物が釈迦なのか、子供に問いかけながら読み聞かせすると良いと思います。 枠に飾られた絵は、如何にも仏教経典を彷彿させるものですが、鮮明な色あいなので絵に引き込まれることでしょう。 登場する動物の表情もとても豊かなので、ページ一杯に描かれた動物達の姿を見るだけでも楽しいものです。 奥の深い絵本といえそうです。
投稿日:2008/06/08
とても心配性なウサギの行動が発端となって、たくさんの動物が巻き込まれていきます。 「あまりにも心配しすぎることは、自分を見失って失敗してしまう」 「何でもうわさを信じてはいけない」 この二つが教訓として書かれています。 子どもにとって、ある程度の恐れは必要です。近頃はこれがなさ過ぎるほうが問題のように感じます。 でも、過剰なことは何にしてもよくないことです。 それから、子どもは誰かが言っていたとか、今ではサイトに書き込んであったとか、そんな自分で見たことではないことを 信じてしまいトラブルになります。 いつの時代でも、この二つの教訓はためになると思います。 絵が暖かい国らしく、とても色鮮やかで、小さな子どもさんでも喜んで読めそうです。
投稿日:2008/07/29
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