映画化もされた『夏の庭』の湯本さん。
『夏の庭』は私が大好きな一冊で
ある夏の日のおじいさんと少年達の交流を描いたものだが
『ポプラの秋』は少女とおばあさんという設定になっています。
湯本さんは世代の違う人との交流は大事だと
いうことをいいたかったのかもしれないなと思った。
このお話を読み始めたとき梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』と似ているなぁと思ったけど
エンディングはこちらの話のほうが好きだなぁと思う。
大家のおばあさんとアパートに住む千秋母子、独身女性の佐々木さん、タクシー運転手の西岡さんとの
ほのぼのとしたやりとりに気持ちが癒されるし、ゆったりした時間の流れを感じてとっても良かった。
最後に18年後、千秋はおばあさんのお葬式に向かった先で母親の亡き父に宛てられた手紙を読み
母の夫を亡くした当時の気持ちを知らされる。
とても切なくはあるけれど子どもが小さいうちに片親を失くすこと(離婚も含む)は
必要以上に子どもに大人になれ!大人になれ!と急がせるばかりで不憫だなと思う。