作者のケイト・ディカミロさんは、2004年に『ねずみの騎士デスペローの物語』でニューベリー賞を受賞したアメリカの児童文学作家。
有名な方ですが、私はこの絵本がケイト・ディカミロさんの作品だとは知らず、図書館で優しく美しい表紙に一目惚れして借りてきました。
少女フランシスは、窓から見えるオルガン弾きの老人と小猿が気になって仕方ありません。クリスマスの日、フランシスは劇を見に来てほしいと老人を教会へ誘いますが…。
映画のワンシーンのようなバグラム・イバトーリーンさんの絵が素晴らしい。ページいっぱいに描かれたその美しい絵に、ため息さえこぼれてしまいます。
最後のページでは、誰もが自然と笑顔になれると思います。
大人になることが悪いことばかりなわけではありませんが、子どもの心を理解できる大人が一番素敵なのかな…と考えさせられました。
華やかな感動ではなく、読んだ後にじんわりと心が温まるようなお話です。