ピーター・レイノルズと言えば、アリスン・マギーと組んだママが泣ける本の上位に位置する「ちいさなあなたへ」と、パパが泣ける本の上位に位置する「きみがいま」でつとに知られています。
原題は、Ish。
意味は「..らしい ..のような」
とか 「..がかった ..じみた」
と言ったところ。
それを、「っぽい」と邦訳したところに、訳者のセンスを感じます。
主人公のラモンは、絵を描くのが大好き。
何時でも何でも何処でも、絵を描きます。
ところが、ある日おにいちゃんに絵を笑われてしまってからは、絵が描けなくなってしまいます。
でも、妹のマリソルは、ラモンの絵が大好きで、ラモンがくしゃくしゃに捨てた絵を自分の部屋中に貼っていたのです。
マリソルは、ラモンの絵に気持ちがあると感じていたのです。
決して実物に似てはいない、それっぽい絵。
それは、自分らしく表現することの大切さを、諭してくれていると思います。
小さい頃は、それこそ自分らしくあるのですが、段々大人になるにつれて、そのらしさが失われていく気がします。
いつまでも、そのらしさを表現できるようにありたいもの。
そんな風に、子供を育てたいと改めて認識させられました。
どちらかと言うと、大人向きの絵本だと思います。