『おとうさんのちず』というタイトルだけでは分かりづらいという印象ではあります。タイトルで想像していた内容とはずいぶん違いました。だって、地図と向き合ったのは“ぼく”なんですもの。
そういうタイトルとのミスマッチ感は残ってしまいましたが、内容は悪いものではありません。むしろ、大切なことを子どもに伝えてくれると思います。
テーマはなんて言えばいいのかな。「夢」かな。「生き方」かな。
戦争の時代の実話のようですが、戦争がメインではなく、ひもじい・苦しい生活の中で、“ぼく”が見つけた大きな夢が描かれています。
お腹を満たすパンよりも、心を満たし未来へ生きるチカラとなる地図を買ってきたお父さんは、なんて素敵な親なんでしょう。この状況で、なかなかそんな決断はできませんよね。親は『食べさせなきゃ』って思っちゃうし。
親として学ぶ部分も多いなぁと思いました。色んな物を見せて、経験させることは、子どもにとっては何よりの栄養なのかもしれませんね。