「何やら面白そうな表紙だね」といいながら、上の子が手にして読みました。(1人読み)
なんと!この絵本の作者は、「ニッサン童話と絵本グランプリ」に何度も応募し、優秀賞2回、佳作を3回も受賞。
本作品は(たぶん)6回目に応募した2009大賞作品です。
1ページ1ページの描き方がすごく印象的です。
小学校2,3年生くらいの男の子が主人公なので、彼の目線で「ピックアップされて見えている」のだろう世界が、バーンと描かれています。
小学校の教室で、「台風」の注意をしている先生が、怒ったように見えるのは、少年の心の目じゃないでしょうか?
家の居間から見えるに曇った外の風景。
台風を吹き飛ばそうと、夢で見た大きな船のマスト。そこに描かれている太いロープの傷み具合がいい感じです。
この作者は観察眼も素晴らしいし、描写力もすごいです。
なんといっても印象的なのが、台風一過のあとの青空!
それまでモノクロで描かれていただけに、青い空の見「ブルー」で色づいているので、とても目に焼きつきました。
印象的で、芸術性は高い絵本だと思いますが、
「子どもに伝える絵本」「子どもが読みたがる絵本」かというと、ちょっとどうかな〜。
作者が本格的に子どもを意識して描いてくれる絵本があったら、とてもいいものができそうな気がします!
小学校高学年以上、中高生や、絵を勉強したいお子さんにはお薦めです。