兄弟姉妹の関係について、絶妙にその心理を描写した作品です。
主人公のりらには、弟のげんたがいます。
りらは部屋を飾るのが好きなのですが、すぐにげんたがめちゃめちゃにするという書き出しで始まります。
りらは、マンションの他の子供は自分の部屋があるのに、私だけないのはおかしいと不満に思っています。
自分の部屋が欲しいとパパ、ママに言っても、もう少ししたらと取り合ってくれません。
そこで、りらは自分の部屋を作ろうとします。
これって、誰しもが思ったことではないでしょうか?
自分だけの空間を欲っするのは、誰にも共通のことだと思います。
でも、その空間にもげんたが入り込んでくるのです。
おねえちゃんのことが、好きでたまらないおとうとの気持ちにキュンとさせられました。
そこで、とうとう、りらは内緒で庭に自分の部屋を作ります。
ここで生活をと考えたものの、あたりが暗くなって心細くなり家に戻るのですが、そこには、嬉しいハプニングが待っていたのです。
このエンディングは良いです。
とても良いです。
この構図は我家でもありましたが、おそらく、兄弟姉妹がいる家庭では、本当はある光景なのではないでしょうか?
ただ、その伝え方が上手くないだけ。
そんな関係を、上手に描いてくれた作者に拍手です。
兄弟姉妹がいる家庭の読み聞かせにオススメです。