ちょっと、宮沢賢治の童話みたいなイメージの絵本です。
化ける練習をしていたタヌキの親子。お父さんとお母さんはお地蔵様になりました。でも、まだまだ修行が足りない子ダヌキのタベタはお地蔵様にはなれなくて、おまんじゅうになりました。そこで起こった悲劇!
なんとタベタは、通りすがりの男に「おいしそうだと」持っていかれてしまったんです。
タベタを奪回するべく、お父さんとお母さんは怖いものに化けて、男のところへ行きますが、一笑されてあっけなく、化けダヌキだとばれてしまうんです。
もう最後の手段は、タベタの身替わりとなって、タベタを返してもらうほかない!そう決意した頃…。
タベタは男のポケットの中で寝入ってしまい、男が食べようとした時、タヌキに戻りかけて毛がでてきていたんです。男は毛をカビだと勘違い、あっさり捨ててしまいました。
ストーリーはどきどきものなのに、なんだか間が抜けていて笑っってしまうタヌキの親子の姿を楽しく描いている作品だと思います。