作者ではなく、語りジェリ・ババ・シソコというのにひかれて手にとった。日本にもある昔話とは少し趣がちがうのかなと思い読んでみた。
村に生まれた男の子。次々と両親が死んでしまい、生まれてきた男の子のせいだと村人たちに
森へ捨てられてしまう。
森で動物たちに育てられて、森の秘密や木や虫や星の声を聞くことが出来る強い男の子に育った。
ある日自分と動物は違うことに気づき、人間に捨てられた事にも気付いてしまう。
男の子は村に雨が降らず作物が実らないように願う悲しい歌をバオバブの木の上で歌うようになり、そして村には雨が降らなくなり作物がとれなくなった。
偶然森で男の子を見た狩人が雨が降らないのは男の子の歌のせいだと王様に報告する。村人は許してもらおうと踊ったり、料理を作ったりしたが、木から下りてこようとしない。
年が同じくらいの男の子を木の上に上げてたのんでみたら・・?
男の子は木から下りてきた。村には雨が降るようになり、男の子は王様の家で住み、いろんなことを教わり、王様は自分のあとを継ぐようにその男の子に言った。
どこの国にもこれに似たような昔話はあるんじゃないだろうか?災害を逃れるためにとか、怖い魔物にささげるいけにえとか、誰か一人の命を犠牲にしてその他大勢を守るみたいな。結局そんなことをしたらかえって災いを招き入れてしまうよ、というようなメッセージが感じられます。
今の時代にも通じる、自分さえ良ければいい的な考え方はいずれ自分にも何か良くない形で返ってくると思う。
6年生の読み聞かせで読んでみた。男の子が悲しい歌を歌うページの絵がとても印象的のようだった。白黒に近い絵で表情ははっきり描かれていないのに、寂しい悲しい思いを感じとれたようだ。