お寺の子どもたちと遊んでいただるまちゃんが、お寺の和尚さんの孫、におうちゃんといろんな勝負をして遊ぶ話。
2014年刊行。著者が戦後、体験した黄檗山萬福寺の様子や当時の思いなどを作品に込めた、という。
少年2人が、無邪気にいろんな遊びで勝負をし続けるのだが、なかなか勝敗が付かない。もう1回、もう1回と、どんどん勝負にのめりこんでいく様子は、少年漫画などでお馴染み。遊びを楽しんでいるだけであり、決して因縁の対決でもなく、戦争でもない。ゲームだ。
松ぼっくりつかったスコアは野球の試合を思わせる。
途中で和尚さんも参加。至って平和な世界が展開される。
きっと、戦争を体験した筆者は、大人も子どもも一緒に遊べるような、平和で豊かな世の中を切に願ったことだろう。
腕相撲や、にらめっこ大会なら、どれだけ戦っても誰も死なない。勝っても負けても、どうってことない。だからいいのだと思った。