あるところに、眠れない王様がいました。
名前を、カールと言います。
そのカール王に眠ってもらいたいと、お城の大臣たちはあらゆる音を消していきます。
最初は飛行機、次は汽車のレール、その次はハチの巣、それから……。
大臣たちは考えうる限りの音を消していきますが、それでもカール王は眠りません。
大臣たちは、困り果ててしまいました。
おもしろいのは、ページを何枚めくっても、カール王の姿が出てこないところです。
めくってめくってめくって、やっと現れた王様の正体は!
正体を知ったとき、大臣たちがこんなにも一生懸命になる理由が分かります。
一筋縄ではいかない、愛に溢れた絵本です。