初めて読んだのは、英語版の“Someday”――書店で立ち読みして、思わず涙ぐんでしまいました。本当に帯の言葉どおり、「母であることのすべてがつまった絵本」ですね。
娘には、いつ読んであげようかと時期を待っていましたが、今日、娘の誕生日に、この本をプレゼントしました。今年は、日本で、じいじ、ばあばといっしょに迎える初めての誕生日。その特別な日に、母への思いと娘への思いの両方が詰まったこの絵本を読むことができ、感無量でした。
日々成長していく娘と、年々白髪が増えていく母。これまで歩んできた道のりを振り返り、また、娘のこれから歩んでいく道を思い浮かべながら、母への感謝の気持ちと、母親としてのしあわせが、心の中いっぱいに広がっていくのを感じました。
娘は、これから先、うれしいこと、楽しいことに瞳を輝かせたり、時に、膝を抱えて悲嘆に暮れたりしながらも、いつか自分の夢を見つけて、遠くへ巣立って行く日が来ることでしょう。その時が来たら、私も、母がしてくれたように、娘の後姿を笑顔で手を振りながら見送ってあげたい。そして、再び、同じ場所に立って、「おかえり」と抱きしめてあげたい・・・。終わりから2ページ目の絵と、母の姿が重なり、また涙があふれました。
娘と手をつなぎ、娘の髪をとかし、娘の寝顔を毎晩見られる今、娘との1分1秒をもっともっと大切に、そして、大いに楽しみたいな、という思いが以前にも増して強まりました。
生死の意味も、老いるということも、しっかりと理解している娘は、最後のページに涙ぐんでいました。でも、最初のページを開くときには、いつもにこにこ。赤ちゃんに返ったように、純真無垢な目で、両手の指を私の前に差し出し、「ねえ、Jにもやって。」と言って甘えます。
「あのひ、わたしは、あなたのちいさなゆびをかぞえ、そのいっぽん、いっぽんにキスをした。」
――あの日のことをずっと忘れないでいたい。