私が住んでいるマンションに、つばめが巣を作りました。最寄駅のコンコースの天井にも巣があり、糞が乗客や床に落ちないように、巣の下を被うように、天井から透明のビニールがさがぶら下げられていました。まだこの地域にもつばめがやってくることをうれしく思いました。
出勤するときに、マンションにできた巣を毎日確認することが日課になりました。しかし、あるとき巣が壊され、土が付いた壁だけになっていました。どうして、このようなことが起きたのか。驚くことに、カラスの仕業でした。
野鳥に詳しい友人と獣医である彼の奥さんに、「なぜ、カラスはツバメの巣を襲うのか?」と尋ねると、その答えにも驚きました。実は、カラスも子育ての真っ最中で、ツバメに限らず、他の鳥の卵や雛を捕って、自分の子どもに与えているそうなのです。
自然界のシステムは、人間が考えているより、ずっと複雑なのですね。そんな自然界の厳しさやおもしろさ不思議さを教えてくれる図鑑が『学研もちあるき図鑑 まるごと日本の生きもの』です。
この本の良いところは、
1.「すんでいる場所」と「いきもののなかま分け」との両方から調べられること
2.解説がおもしろい
(ダンゴムシがえら呼吸するなんて知りませんでした。)
3.漢字名が書かれている
アセビ→馬酔木 解説も面白いので読んでみてください。
4.総ルビ
知らない漢字があっても大丈夫
5.コラムが40も掲載されている
タネがどうやって運ばれていくか、トンボの産卵のいろいろ
6.扱いやすい
B5よりも小さく、厚手のビニールカバーがついていて、実際に冒険に行くときに、少しの汚れても曲げられても大丈夫!
私には、ありがたいことにいきものに詳しい友人がいますが、そうじゃない人は、この『学研もちあるき図鑑 まるごと日本の生きもの』があれば楽しく観察できると思います。読み物としても楽しいですね。