各地の個性的なうどんを紹介。うどんの作り方を、科学的な事実も踏まえて丁寧に解説。作ったうどんのおいしい食べ方、保存の仕方なども教えてくれるうどんの総合案内。
筆者は農学部→製粉会社(定年まで)→退職後はWEBサイトで「手作りうどん、そば講座」を開き、この絵本の執筆に。まさに、うどんの国からうどんを広めにやってきたようなお方。
家庭でつくるうどんとはいえ、本格的に指導。粉の選び方、こね方、伸ばし方などでは専門用語も飛び出し、うどん道に入門した気分だ。ゆでる時に、お湯が弱酸性になっていると、うどんの一部がお湯に溶けてしまい、食感が悪くなるなんて、初めて知った。あらかじめ酢を少量入れてからゆでるとよい、とか。これに気が付いた人はすごい。
全国のうどんは、幅広いものもあり、細いものもあり、煮込むものもあり、汁も実にいろいろで興味深い。小豆のぜんざいのようなものにうどんが入った「あずきばっとう」(青森県)など、驚異的な取り合わせもあり、うどん界の多様性に驚く。
日本にはまだまだ知らないうどんがある。人間はまだまだ未知なるうどんとの遭遇が待っているのだ。ワクワクするではないか。