物語の始まりはちょっと切ないのです。
長い間誰も家に来てくれず「おきゃくなんてすきじゃない」と思ったクマが、
ドアに「おきゃくおことわり」の張り紙を貼った、というのですから。
ところがある日、ネズミがやってきて、
クマが何度追い返しても、
いつの間に忍び込んでは、部屋のそこここから現れて・・・。
クマとネズミの愉快な応酬に、息子達は大喜び。
怒られたネズミが、素直に謝って帰ったかと思ったら、
またいけしゃあしゃあと現れるのが痛快だったようです。
ページをめくる度に、どちらが先にネズミをみつけるか、競争していました!
私は、後半、クマの表情が次第に柔らかくなっていくのを追うのが嬉しかったです。
ネズミはよく粘ったなぁ!
張り紙を見て、なんとなく放っておけなかったのかしら。
クマも、心のどこかで、ホントは誰かを待っていたのかな。
クマとネズミの豊かな表情や、センスの良いクマのお部屋が優しい色合いで描かれている絵も魅力的。
大き目の絵本で見やすく、お話会でも楽しそうですが
個人的にはおうちでゆったり読むのがおすすめです。