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韓国の方の絵本を読むのは初めてでしたが、素直に面白かったです。 父親に死なれ、目の不自由な母をもった男・ハンジャギョンが、泣いて悲しんでいるのを見兼ねた道士(修行をして、超能力のような力をもった人)は、ハンジャギョンに不思議な掛け軸を渡します。 その掛け軸には、大きな蔵と門番が描かれていて、絵の中の門番にお願いすると、蔵の中からお金をいただけるようになっているのです。 同士はくれぐれも、暮らしに必要な分だけのお金(一日1両だけ)を出すように諭しますが、次第に欲が膨らんだハンジャギョンは、一度にたくさんのお金を要求します。 その為に、掛け軸の不思議な効果はなくなり、ハンジャギョンは痛い思いをすることになってしまいますが、母を想う気持ちが残っていた為、もう一度、命だけは同士に救われたという、儒教の国ならではの作品でした。 筆で描いたような絵が特徴的で、私の好みとしては、掛け軸の中の門番が可愛かったです。
投稿日:2004/10/09
韓国のおはなしです。 古典小説を創作し絵本になったそうです。 朝鮮王朝時代に、実在したふしぎな神仙の術を修めた道士、チョンウチが、山のふもとから泣きき声が聞こえてくるので、様子を見に。 チョンウチが、風のように舞い降りて見ると、貧しいハンジャギョンという男が、父親の葬式代も工面できず、目の不自由な母と途方にくれていました。 そこで、チョンウチ道士は、袖から掛け軸を取り出し、…。 チョンウチ道士は、腐敗した権力者による圧政に抑圧された民衆を今回も助けるべく、情けをかけたのですが、人間の業の深さに読んでいて恥ずかしくなります。 掛け軸の中に、入って行き、あわてて袋にお金を詰めるシーンに、「あ〜あ。」と息子。 最後の、「これからは できるだけ よいことをして くらしなさい」の言葉は、ハンジャギョンをおもわず応援していた私に言われたようで、「はい」と返事をしてしまいました。
投稿日:2009/10/16
欲をかいてはよくないという昔話風のお話の中に、乱れた治世への不信感や批判のようなものも感じられました。 その象徴として登場するのが、シンジャギョンがかけじくをもらうチョンウチ道士という謎の人物です。 前半、シンギジョンがかけじくの蔵番から少しずつお金をもらうより、たくさんのお金を一気にもらおうとする展開は読めましたが、後半はどうなるのかがわからずハラハラしました。 時代設定が古いお話であるのに、訳語が「しんぞうバクバク、のうてんひりひり」などの現代的な口語が混じっているのが読んでいて気になりました。 お話としては、とても魅力的で起伏に富んだ展開がおもしろいと思います。
投稿日:2009/01/02
韓国の人々は、とても情緒豊かで、表情も豊かです。 この絵本の登場人物も表情豊かでおもしろいです。 お母さん思いの息子が多い韓国ならではのところもあります。 描かれる衣装や建物からも韓国を知ることができます。 絵も文章もユーモアがあって、楽しく読めます。
投稿日:2007/08/21
ぜひ子供に読みたいと思い借りました。 子供たちの感想は「韓国の昔にも白いトラがいたんだ。」 「これは本当にあったお話なのかな?」「チョンウチ道士って神様のこと?」といろいろと疑問がわいてきたようでした。 内容はおもしろく、昔話としては暖かく親を思うことの深い韓国ならではの絵本だと思いました。 絵がとても素敵で、文章も5歳くらいでも理解できるところがよかったと思いました。
投稿日:2007/03/14
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