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マールとおばあちゃん自信を持っておすすめしたい みんなの声

マールとおばあちゃん 作:ティヌ・モルティール
絵:カーティエ・ヴェルメール
訳:江國 香織
出版社:ブロンズ新社 ブロンズ新社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2013年04月25日
ISBN:9784893095671
評価スコア 4.55
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みんなの声 総数 10
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  • おばあちゃんと孫の良い関係

    おばあちゃんと孫という距離感や相性の良さというものもあるかもしれません。

    ともすると深刻な状況にも陥りやすい内容なのに、さらっとした感じでおばあちゃんが変わっても良い関係は相変わらず続いている様子が微笑ましくさえ感じる場面がありました。

    これが母と娘という関係だったらこんな風にはすぐに状況を受け止められないかもと。

    そんな風に思うのも、私の母も状態の違いこそあれ、晩年の何年かは他の人とは非常にコミニュケーションがとりづらいことがあり、実の娘である私もその対応に苦慮することがあったので、そんな時の母と重ね合わせて読んだ部分もあるのかも。

    相手に寄りそうというのは口で言うのは簡単だが、行動としてやってみるのはなかなか。

    「おばあちゃんがポテトをほしがっているときに、スープをあげてしまったりするのです」というのは、この絵本に描かれているおばあちゃんだけでなく、健常者の子どもに対してもやってしまっているかもしれないとも思いました。

    「ゆっくり、注意深く聞くことが大事なのです」は、このおばあちゃんだけでなく、すべての人に当てはまることなのかもしれないとも。

    子どもは経験は浅くても本質的なことはよくわかっているように、何が大事なのかということがとても伝わってくる絵本だと思いました。

    絵がとても美しくてその美しさにも惹かれました。

    投稿日:2013/05/27

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  • 絵がとても素敵です

    記憶を失ってしまったおばあちゃんの心と、一生懸命語りかけようとするマールの気持ちが、不思議な絵の表現で、痛いほどに伝わってきました。
    おじいちゃんの関わりと死、無表情で機械的な病院、老いというものがとても辛く感じました。
    マールの生まれ方が突飛だったので、おばあちゃんとマールの関係から始まっても良かったとも思いましたが、絵が削られるのも嫌ですね。
    素晴らしい絵に魅了されました。

    投稿日:2017/04/12

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  • 赤いワンピースがお似合いのマールと大の仲良しのおばあちゃん。
    駆けっこ仲間でもある二人は、木の香りと果てないお話ごっこと、美味しいクッキーで深く繋がっています。
    あるとき お婆ちゃんは倒れ、言葉を失いますが、マールは今までと変わらずお婆ちゃんに 寄り添いおしゃべりをします。

    天衣無縫なマールには、あちらの岸のことも同じに聴こえるのかもしれません。
    夢か現か・・・幻想的な色調の中に、孫娘との愛の絆が心に
    豊潤に描きだされゆく美しい絵本です。

    投稿日:2017/01/25

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  • どうしてだれも聞いてあげないの?

    • レイラさん
    • 50代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子29歳、男の子27歳

    大人向けおはなし会で、知人が取り上げた作品。
    ベルギー出身の作家さんで、鮮やかな桜の木の表紙絵が印象的です。
    主人公は、この桜の木の下で生まれた少女マール。
    活発で食いしん坊ということで、同じ性格のおばあちゃんと大の仲良しというのが素敵な関係性です。
    ところが、おばあちゃんが倒れ、別人になってしまうのですね。
    まさに認知症そのもの。
    仲良しだからこそ、マールはおばあちゃんと意思疎通を図ろうと奮闘します。
    「どうしてだれも聞いてあげないの?」という感覚に、はっとさせられます。
    マールだからこその感性が愛おしいです。
    桜の木が、いい塩梅で寄り添います。
    独得のコラージュが、二人の世界を印象的に彩ります。
    考えさせられる読後感です。

    投稿日:2023/05/19

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  • 孫とおばあちゃん

    表紙の美しさに魅せられて手に取りました。

    美しい絵が誘う物語の世界は
    「老い」「死」というものが漂う世界でもありました。

    壊れていくおばあちゃんと、それに懸命に寄り添い続ける孫。

    物悲しくなりそうな題材に、それだけに終わらないメッセージを感じるのは
    江國香織さんの確かな翻訳のせいかもしれません。

    余韻が残る一冊です。

    投稿日:2019/04/01

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  • おじいちゃんの終わり方

    マールとおばあちゃんの強い絆は勿論羨ましいのですが、私はおじいちゃんのような生きるのをやめる終わり方を理想としています。出来れば、子どもたちや孫たちにも迷惑をかけたくないから、「おじいちゃんは、両目を閉じて微笑んでいました。まるで、誰かにたった今、面白い話を聞かされたように、紅茶のカップを壊し、そんなふうにして、おじいちゃんは生きるのをやめたのでした。」とても羨ましく思いました。

    投稿日:2018/12/07

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  • おばあちゃんは、ある日ばったり倒れました。

    倒れる前とは、変わってしまったおばあちゃん。
    右目が左目よりも下がってしまい、
    船を「う・ね」、にわとりを「い・わ・の・り」と
    口を右がわにひきつらせて、発音します。

    それでもマールには、おばあちゃんのいうことが
    正確にわかるのです。

    かなしい時、おばあちゃんの目からきりもなく水がこぼれます。
    マールはそれを止めることが出来ないけれど、
    おばあちゃんの隣に座って、寄り添います。

    強い意志を表現したい時には「する!」とひとこといって、
    ベッドの囲いを、ゆっくり乗り越える、おばあちゃん。

    病気でおばあちゃんが失ったもの、失わないもの、
    それが絵と文両方でリアルに描かれていて、泣けました。

    マールとおばあちゃん、
    がまんがきかず、くいしんぼうな似た者同士の二人の、
    意志の強さに、希望を感じます。

    投稿日:2017/10/30

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