動物画の第一人者として知られる薮内正幸さんの作品です。
1987年初版の「どうやって ねるのかな」と対になっているかと思いきや、この作品は、1996年のものでした。
最初の見開きに、
「○○○、よくねているね
もう おきるかな?」
とあり動物が寝ています。
次ページに、
「あー、おきた!」
とその動物が起きた瞬間の描写があるという単純な構成の作品。
寝ているその無防備な姿と目覚めの大きなあくびや伸びが、実にリアリティに富んだもの。
描かれているのは、いつものように親子、しかも母と子です。
いつもながらの薮内さんの絵には、圧倒されてしまいました。
その毛並みまでも一本一本丁寧に描いた精緻な絵は、絵本の領域を超越していると言って良いと思います。
動物が起きる瞬間というのは、何故かわくわく感があるので、あかちゃんでも喜ぶのではないでしょうか?
最後のページの、母親の鼻が子の鼻に蒔きついているシーンは、深い愛情を感じずにはいられません。
また、表紙のウサギは、裏表紙で起きているのですが、一寸怖い表情です。
0歳から安心して読み聞かせできる絵本としてオススメします。
「どうぶつのおやこ」「どうぶつのおかあさん」等と一緒に読み聞かせするのがベストです。