三浦しをんさんの『神去なあなあ日常』の中の、山太(さんた)くんの神隠しのエピソードを絵本化した作品。
さんたが座布団を干していると、不思議な女の子と出会います。
女の子は「あかさん」と名乗り、山に誘います。
二人は座布団に乗って、不思議な体験をするのです。
原作では(思わず原作も読んでしまいました)、主人公の就職先(林業)の社長の息子さんの
さんた。
そのさんたが突然失跡したエピソードが、さんたの証言で描かれていますが、
詳細は謎のまま、神隠しとして物語は進んでいます。
この作品では、その証言がちゃんと生かされて描かれており、嬉しかったです。
そして、日本人として、古来から伝わる神話然としたこの感覚は大切にしたいと思いました。
何より、あかさん、しろさんの言葉がこの地域の方言で、実は身内にこの方言を話す人がいるので、
音読すると、とってもしっくりくるのです。
基本は関西弁なのですが、おっとりした土地柄に寄り添ったお国ことば。
そのあたりの言い回しも、しっかり味わってほしいです。