「ぐるんぱのようちえん」 みんなの声

絵本は不思議です。
そんな無理な展開・・・って大人が思っても子供は
すんなりその世界に入り込み違和感を感じないんです。

この本もそんな１冊です。

行く先々でがんばるぐるんぱですが
「もう、けっこう」と何度も言われます。
でも、めげないんですね、ぐるんぱは。
そう、自分を求めてくれる場所は絶対あるんです。

テンポの良い文章と、面白い絵に子供たちは夢中になり、
何度も読んでと持ってきます。
そして、楽しそうに描かれたハッピーエンド。
寝る前の読み聞かせにすると、きっといい夢が見られるんじゃないかなーって、思います。

きたなくてくさいぐるんぱ。
なかまたちによってあたらしく生まれ変わったぐるんぱは町へ働きに出かけます。でも・・・・。

この絵本に出会ったのは、ＴＶドラマでした。
障害を持つ彼が「さぁ、にっこりわらってしゅっぱつです」「ぐるんぱは・・・」と話しているのを聞いて読んでみたくなりました。

子供たちも大好きで、「読んで読んでぇぇ！！」とよくせがまれましたね。なかでも、お気に入りは「もう、けっこう！！」と「ぐるんぱはしょんぼり」でした。読んだあとはきまって、なにがおもしろいのか繰り返しては笑っていましたよ。
その後のままごと遊びの中でも
「もう、けっこう！！」「しょんぼり」を使っていた彼らです。可愛らしい♪

うちの息子はこの春から幼稚園に通い始めたのですが、最初の１週間くらいは涙・涙の登園でした。

この絵本、息子はとてもとても気に入った様子で、特に一番最後のページが大好きらしくずーっとそこばかり眺めてニコニコしています。
「ぐるんぱ、よかったね。ようちえんたのしそうだね。みんななかないでいけるね！」ホントにね、こんなに素敵な幼稚園なら誰も泣かずに通えるね！

汚い、臭いと言われながらも、きれいにしてもらい働きにでる象のぐるんぱ。
働くところ働くところ、スケールの違いでうまくいきません。
でも、「自分にできる事はなにか」にぐるんぱは自分で気がつき行動していきます。
大人になってもなかなかできない、この行動に感動してしまいました。
そして、すてきな幼稚園にも感動しています。こんなすてきな幼稚園があったらいいね！

子供が「んっ？」と思うようなことがたくさんたくさんちりばめられた絵本です。まずタイトルがかかれた１ページ目、「これは　ぐるんぱが　かいた　じ　です」とちいさく注意書き。字に興味を持ち始めたころのお子さんなら、そうなのか...とまずぐっと気持ちがひきこまれることでしょう。そして、意外なほど強調されているのがぐるんぱの汚れ具合・くささ。くさーいにおいもします...とか、くさいのでみんなはなをそらにむけています...とか、妙なポーズの会議中のぞうたちの絵などでひきつけられない子供はいないのではと思いました。ぐるんぱはちょっとかわいそうですけど...。
修行にいくおみせの人の名前も、単純でコミカルです。失敗をくりかえすたびに増えていく「しょんぼり」の数も、子供の共感を呼ぶと思います。
でも、失敗したり涙がでるほど寂しかったりした経験が「ぐるんぱみたいに　ひとりぼっちのこどもも　たくさん　きました」という場面できっと生きてきたことでしょう。失敗作がみんな大活躍し、子供たちも大喜びの楽しい幼稚園ができました。
ここでも「ぐるんぱはみんながよろこぶようにがんばりました」というのではなく、ぐるんぱ自身のためにしていることが誰かに喜ばれている、というスタンスなのがすごくいいなと思います。
最後に「びすけっと、まだ　たくさんのこっていますね。」と遊び心たっぷりな文章でおはなしが終るところも、子供の目線に立っている感じでおかしみがあって好きです。

象のぐるんぱが働きに出て、失敗を重ねながらも健気に元気で頑張っていくお話です。さびしがりやのぐるんぱが子どもたちに幼稚園を作ってあげたシーンはとてもほのぼのとした気持ちになれます。

もうすぐ幼稚園に入園が決まっている娘は、幼稚園がどんなところかと、興味半分・不安半分です。
いろんな失敗をしながらも最後には楽しい幼稚園をひらくぐるんぱと自分を重ね合わせてるみたいで、読みおえてホッとしている様子がよくわかります。そしてお風呂に入らなくてくさいぐるんぱを見て、積極的にお風呂に入るようにもなったので、ラッキーな効果だったかな！！！

私が子供の頃に読んでいた本が　絵本クラブで届けられて　とても懐かしい気持ちで読みました。汚くて泣き虫だったぐるんぱが働きにでるんだけど　どれもこれも「もうけっこう」と追い出されてしまいます。最後のじーさんのところを追い出されたぐるんぱは本当にしょんぼり。とにかくがっかりしてるんだ　というふうに読みます。しかし子供たちがたくさん集まってきて　ぐるんぱが幼稚園をひらきました　と明るく読むと「ぐるんぱよかったね。」と娘も喜びます。最初のページの　これはぐるんぱがかいたじです　とある「ぐるんぱのようちえん」の字。娘も息子も名前に「ん」がはいっているので　「○○ちゃんのんもあるよ」　と言うと　それも大喜びです。

初版が1966年！ちょうど私が幼稚園の頃です（年がバレた（＾＾ゞ）。でもお話も絵も､新鮮です｡
ぐるんぱはいつも一人ぼっち､汚くって臭くってめそめそ泣いてばかり（今で言うひきこもり？）
象の仲間達が彼をきれいに洗ってあげて、働きに送り出しました｡だけど､失敗ばっかり｡また泣きそうになっていると･･･。
最後には必ず「よかったね、ぐるんぱ。」と呟いてしまいます。
あぁ、それにしてもお話に出てくるビスケットが食べたい！きっとほっぺが落っこちるほど美味しいんだろうなぁ。

大きな車、くつ、ピアノ、お皿のプール、それに特大ビスケット。こんな幼稚園あったら行きたいなって思いました。
ぐるんぱ先生頑張れ！！！