「ぼくのシチュー、ままのシチュー」 みんなの声

留守番をしている小さなくまが

スケッチブックに絵を描いています。

食べ物だったり、乗り物だったり・・・。

それをはさみで切り刻んで

シチューを作ると言っていました。

発想がおもしろいなと思いました。

おもちゃばこに入っているうさぎのぬいぐるみが

ちょっと気になりました。

今のほりかわさんの絵本からすると、ちょっとこなれていない絵のようでありながら、素晴らしさの詰まった作品です。
お留守番までして、絵を描いていたいこぐまちゃんの、楽しいお絵描きの後は、お母さんのまねしてシチューづくり。
描いた絵を切るだけではなく、車の千切りが圧巻です。
常識に捕らわれていては、ここまで想像できません。
風にお鍋から飛んでしまった、シチューの具材。
このごっこ遊び的な感覚が素晴らしいです。
何気なくシチューづくりを手伝っているおもちゃのうさぎちゃん。
このゆとりある遊び心が、ほりかわさんの可能性を思わせます。
この作品があって、今があるのですね。

「くまちゃんのシチュー、すてきね」
「くるまもはいってるんだよ」
「まあ、すごいシチューね」

この箇所だけで、じーんときてしまいました。
子供のやったことを「すてきね」と認めてあげること。
「くるまなんてシチューに入っているわけないでしょ」と否定しないこと。

母親として大切なことを教わったような気がします。